北海道コンサドーレ札幌が昨季J1覇者の横浜F・マリノスを2-0で破り、今季初勝利を挙げた。前半8分、FW小柏剛(24)が今季初得点で先制し、後半32分に新加入で今季リーグ戦初先発のMF小林祐希(30)が移籍後初ゴールを決め、突き放した。勝ち点3を手にして、順位は11位に浮上した。

今季ホーム初出場の小柏がお立ち台で照れくさそうに笑った。スタジアム内でのヒーローインタビューに登場。コロナ禍ではスタジアム外の別室で実施されていたため、サポーターの目の前で声を届けることができなかった。「なかなか緊張します」と笑顔の主役は「2試合に出ることができず、チームに貢献することができなかった。得点というかたちで貢献することができて最高です」と話し、歓声を独り占めした。

武器のスピードを生かし、鮮やかに先制パンチを見舞った。前半8分。GKク・ソンユンから右サイドのMF金子へのロングボール。金子からの折り返しに左足を合わせて流し込んだ。「金子選手からいいボールが入ってくると信じていた」。息の合ったコンビネーションで先制点を奪った。

悪夢を払拭(ふっしょく)する1発だった。昨年の3月12日札幌ドームでの横浜戦。右太もも裏肉離れを負った。試合は終了間際に追いつかれ1-1で引き分け。ちょうど1年後、同じ場所、同じ相手に雪辱し「マリノスって王者相手に挑戦して勝っていかないと上に行けない。そういう意味でも今日の得点は大きかった」と振り返った。

J1歴代最多記録(通算525試合)達成のセレモニーが試合前に行われたペトロビッチ監督(65)は「17年日本で仕事してきた中で最も洗練され、最も優れたゲームと評価できる」と絶賛した。さらに「小柏剛が復帰したことはチームの戦い方にバリエーションをもたらしている」と信頼されるアタッカー。昨季はケガが重なり出場13試合にとどまった。今季にかける思いは強かったが、1月の沖縄キャンプ中に左太もも前を痛めて開幕に間に合わなかった。前節の新潟戦(2-2)で今季初出場を果たし、今節も先発。「もっともっと得点を取ってチームのために頑張りたい」。この勢いに乗ってゴールを量産する。【保坂果那】