新潟レディース(L)はFW滝川結女(24)が“爆速シュート”を決め、今季2度目の3連勝に導いた。

1-1の後半45分、左CKのこぼれ球を右で拾ったDF白沢百合恵(20)が山なりのクロスをゴール前に配球。滝川はふわっとしたボールの処理にてこずった相手のクリアが小さくなったところを見逃さず落下点に入ると、迷うことなく右足を振り抜きゴールネットを大きく揺らした。今季5得点目が劇的弾となり、「今季目標にした数字(5得点)は取れたので、残り試合で8点に持っていきたい」と笑顔をはじけさせた。

左腿(もも)負傷の影響で前節を欠場。この日もテーピングを巻いてピッチに立ったが、90分間、ダイナミックに左サイドを動き続けて攻撃をけん引。シュート3本を放った。「コンディションは良かった。シュートもスプリントも痛みはなかった」とあっけらかんと笑った。MF石田千尋(22)の先制点後は相手に主導権を握られ、思うような展開に持ち込めなかったが、チーム一丸で勝ち点3をつかんだ。「この勝利を次につなげたい」。

リーグ戦は残り4試合。勝ち点を38に伸ばした3位新潟Lは、首位の三菱重工浦和を同9差で追う。次戦5月2日は敵地で4位日テレ東京Vと対戦する。「勝ちたいという思い。強い執念を最後まで持って戦う」。逆転優勝を信じ、全勝に向けて走り続ける。【小林忠】

 

○…高卒1年目のFW田中聖愛(18)が1-1の後半39分から途中出場し、停滞していたゲームの流れを一変させた。父で元日本代表FW田中達也氏(41=現J1新潟コーチ)がスタンドで見守る中、後半44分にスピードに乗ったドリブルを仕掛け、滝川の決勝点につながる左CKを獲得した。「前日に父から『良さを出せ』と助言された。シュートを打ち切りたかったが、少しは勝利に貢献できたかな」と笑顔をみせた。次戦でのWEリーグ初ゴールに向け、「自宅に帰ったら映像を見ながら父と反省会をします」。

 

○…石田が前半28分に左CKを右足で合わせ、先制点を決めた。2試合連続ゴールは「人生初」と喜んだが、「前節の今季初得点はチームの4得点で印象が薄れ、今節も(滝川)結女さんのゴールで薄れた」と笑った。前半に足を痛がるそぶりを見せたがフル出場。ボランチで攻守のバランスを取り、3連勝に大きく貢献した。