日本サッカー協会(JFA)元副会長の岩上和道氏(現JFA顧問)が、2作目の小説を書き上げた。22年にJFAを退任し、小説家かとして活動を始めた。24年末に第1作の長編恋愛小説「銀鼠髪のオデュッセウス」を発表し今回、第2作の「死者の恩寵(おんちょう)」(コールサック社)を出版した。7編の短編と、1篇の中編からなる作品で「死者の恩寵」というタイトルでまとめている。
今回の作品の帯文は、ハンセン病をテーマにした小説「あん」の作者・ドリアン助川が書いている。「あん」は樹木希林、永瀬正敏の主演で映画にもなり、小説も世界26カ国で翻訳されている。ドリアン助川さんは「岩上和道の文学は呪いの穴から噴き出す祝福だ」と書いている。
戦国時代の悲劇の名将大谷刑部を題材にした「死者の恩寵」、室町時代を舞台にした「俊徳丸と乙姫」は能の弱法師や、ラフィカディオ・ハーンも魅了された説教節「俊徳丸」から着想された。「はせを(芭蕉)」は、芭蕉忍者説のオマージュであり、真田の残党が登場する場面もある。
他に「バーボン・オルーニのいた夜半」は、ジャズ・ジャイブのスリム・ゲイラードがモデルだ。「帰らぬ日、遠い記憶」はソウルの貴公子サム・クックらしき人物の話だ。ボブ・ディランやスター・ウォーズ、ゴジラが出てくるSF作品「見張り搭から遠くを」、ファンタジー風の「ロジャー・ラビットと彷徨える岩」。私小説のような体裁の「ディス・オールド・ハート・オブ・マイン」には、鏡の国のアリス、ジョージ・オーウェル、クイーン、ビートルズの影もちらつく。
この8編を1冊にまとめたもので、全編は「死者の恩寵」というキーワードにつながる。
岩上氏は今後、愛猫を登場させた小説、さらにはサッカー小説もプランとして持っており、小説家活動を続ける予定だ。JAFの田嶋幸三前会長、岡田武史副会長、宮本恒靖会長、日本代表の森保一監督、西野朗前監督らを取材して、アイデアを膨らませる計画を持っている。
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