既に16強入りが確定していたベルギーは1-0でイングランドを破り、G組1位を決めた。先発9人を入れ替えながらも3連勝。FWルカクら主力を温存し、決勝トーナメント(T)への準備を整えた。昨年11月には親善試合で日本に1-0と勝っているが、当時は大黒柱E・アザールらが出場せず、「親善試合とW杯は別物」という声も。プレミアリーグなどで活躍する「タレント軍団」が日本に牙をむく。

 ともに1次リーグ突破が決まっている中、両軍とも大幅に先発を入れ替えての対戦だった。ベルギーは途中から負傷で出遅れた主将のDFコンパニーも投入。マルティネス監督は「すべてのタレントを披露するいい機会だった。いい準備ができた」と余裕の表情だ。3戦でフィールドプレーヤー全員を起用した。

 試合を決めたのはFWヤヌザイだ。後半6分に右から切り込み、左足で鮮やかに蹴り込んだ。他の組の結果が出そろってからの試合。1位通過だと、8強入りしても準々決勝でブラジルと当たる可能性があり、必ずしも有利ではないとされていた。だからヤヌザイも「とても重要な得点とは言えないけど、美しいゴール」と微妙な言い方になり、コンパニーは「理論的には負けた(2位の)方がいいだろう。でも、出た選手にとっては負けたくない試合」と振り返った。

 マルティネス監督は「ブラジルと当たる? それは先のこと。今は日本戦だけ考える」とかわした。

 では、日本をどう見ているのか? 02年大会の2-2の引き分けを含め、日本戦は通算1勝2分け2敗。指揮官は昨秋の対戦を「面白い試合だった。その後、日本は監督が代わったが、選手はあまり代わっていない。ダイナミックなチームだ」と話す。昨年11月の対戦ではE・アザールやGKクルトワは不在。日本は香川や本田らがいなかった。MFフェライニは「親善試合と公式戦のW杯は別物」と、互いに今回は違う顔を見せるとしている。

 「今大会はランク下位のチームが上位に勝つこともあるので、何が起こるか分からない」と警戒するのはDFボヤタ。円熟期を迎え、初優勝を狙うFIFAランク3位のベルギーが、同61位の日本に真剣勝負で向かってくる。