W杯北中米大会(6月11日開幕)に挑むのは森保ジャパンだけではない。荒木友輔主審(40)と三原純副審(44)が大会審判員として初めて参加する。直近2大会の日本人審判は第4審判までで、W杯をジャッジしたのは14年ブラジル大会の開幕カード、ブラジル対クロアチア戦の西村雄一主審、相楽亨副審、名木利幸副審が最後となっている。試合割り当ては各2日前に決まる中、両審判員は12年ぶりの悲願に向けて準備を進める。

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荒木主審は決意を込めて話した。「日本人の国際審判員の中で、誰かが必ずW杯に参加しなければいけないという話はしていました」。荒木主審はこの4年間、アジアの公式大会で着実に成果を積み上げてきた。「毎試合毎試合を副審、VAR、第4審判という日本チームで無事に終えられたことが近道だった」。黒子として問題が出ないことが何よりの「信用」。その先にW杯があった。

審判を始めた理由を問われると、ほほ笑ましいエピソードを明かした。「高校の部活動で誰か2人、審判の資格を取らなければならず、ジャンケンで負けたのがきっかけです」。ただその魅力にはまった。試合を無事に終わらせることの楽しさや、懸命にプレーする選手をサポートできる醍醐味(だいごみ)を感じられた。「無事に終えられると今日も審判をして良かったなって思う」と笑う。

大学時代に全日本少年サッカー大会決勝で笛を吹き、プロを志した。JFAレフェリーカレッジで学び、13年からJリーグで主審を担当。昨年はJリーグ最優秀審判賞を三原副審とともに受賞。持ち味は「しっかりピッチの中で動いて、自分でベストな判定をすること。もう1つは、どんなにお客さんが入っていても、どんなに選手が興奮していても冷静でいられるのが自分の強み」と言い切った。

日本人審判の歴史をひもとけば、70年メキシコ大会で丸山義行氏が2試合で副審を務めたのが最初だ。06年ドイツ大会では上川徹氏が3位決定戦(ドイツ対ポルトガル)の主審を務めている。ただ直近2大会は第4審判までとあって、誰もが荒木主審への割り当てを心待ちにしている。「今まで参加された方々の偉大さを感じます。長い大会なのでコンディション調整だけには気をつけろとアドバイスも受けました。主審を担当したいと強く思っているし、爪痕を残して次の大会も狙えるように頑張りたい」と誓った。【佐藤隆志】

◆荒木友輔(あらき・ゆうすけ)1986年(昭61)5月2日生まれ、東京都出身。東京所属、17年国際審判員登録。U-23アジア杯やU-20W杯、W杯アジア予選などに参加。昨年はJリーグ最優秀主審。