ワールドカップ(W杯)北中米大会(6月11日開幕)に挑むのは森保ジャパンだけではない。荒木友輔主審(40)と三原純副審(44)が大会審判員として初めて参加する。直近2大会の日本人審判は第4審判までで、W杯をジャッジしたのは14年ブラジル大会の開幕カード、ブラジル対クロアチア戦の西村雄一主審、相楽亨副審、名木利幸副審が最後となっている。試合割り当ては各2日前に決まる中、両審判員は12年ぶりの悲願に向けて準備を進める。

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サッカー未経験者がW杯へ!? 三原副審は驚きの経歴を語った。「私自身、サッカーのプレーをした経験はありません。ほぼゼロです。小中学校は野球をしておりまして、高校の時は特に(部活動に)入っておりませんでした」。その高校時代の98年にW杯フランス大会があった。日本代表が初出場したこともあり、国内はW杯ムード一色。「それに感化されてテレビでたくさんの試合を見た」。

サッカーが好きになり、ボールを蹴るようになったが、なかなかうまくいかない。そこで大学時代に参加したサッカーサークルで「審判ならできそうだ」と決心。本屋でルールブックを1500円で購入。プレー解釈の幅の広さに触れた。どっちの判定が正しいんだろう? その深みにどんどんのめり込んでいった。

審判としては荒木主審と同期。09年にJFAレフェリーカレッジに入り、17年に国際審判員に登録された。アジア杯やW杯アジア予選でも副審を務めてきた。本業は、松江市役所勤務の公務員。スポーツ振興課に所属し、市民に向けた健康促進活動や、地元出身のテニスの錦織圭が4大大会で活躍した際にはパブリックビューイングも開催した。審判で海外へ出かけることも多く、職場の理解があって両立している。

サッカーにのめりこむ原点となった98年フランス大会。主審を務める岡田正義氏の冷静な姿に「こんなところで日本人が頑張っているんだ」と強い印象を受けた。また、イングランド代表のベッカムがアルゼンチン戦で退場となった場面も忘れられない。「試合がうまくコントロールされていないのを見て、審判はすごく大切な役割なんだなと実感した」。過去の点と点がつながり、現在がある。

実直な性格で「日本から送り出された審判員が信頼されることで、次の世代にバトンを引き継いでいけるようにしたい」。今年で45歳、審判員人生の集大成と位置付ける。【佐藤隆志】

◆三原純(みはら・じゅん)1981年(昭56)6月16日生まれ。島根県出身。島根所属、荒木主審とのコンビで17年に国際審判員登録。U-23アジア杯、U-20W杯などに参加。昨年はJリーグ最優秀副審賞。