駒澤大(駒大)がデッドヒートを制し、03年度(04年1月2日)以来以来19年ぶり4回目の往路優勝を果たした。5時間23分10秒。史上5校目となる同一年度の3冠へ前進した。31秒差で2位に中大が入り、3位に青学大が続いた。

駒大は往路の区間賞ゼロだったが、5区間でブレーキがなく全員の安定した走りが光った。1区で円健介(4年)が8秒差の2位につけると、花の2区で絶対エースの田沢廉(4年)は体調が万全ではない中、中大・吉居大和(3年)、青学大・近藤幸太郎(4年)と激しいデッドヒートを繰り広げ、2位を守った。

3区の篠原倖太朗(2年)も、トップの中大から9秒差の2番手で粘ると、4区で鈴木芽吹(3年)が青学大・太田蒼生(2年)とのつばぜり合いを制し、秒差なしの首位で最終5区へ入った。

勝負のかかった「山登り」で、山川拓馬(1年)が懸命に逃げた。長野・上伊那農時代は佐久長聖の壁に阻まれたが、故郷の山間部で鍛えた脚力を発揮。中大・阿部陽樹(2年)の追い上げにあったものの逃げ切りに成功した。

3日の復路には8区に花尾恭輔(3年)、9区に主将の山野力(4年)ら実力ランナーをそろえており、総合優勝へ期待がかかる。3冠となれば、90年度の大東大、00年度の順大、10年度の早大、16年度の青学大に続く偉業達成となる。

大八木弘明監督は「選手たちがしっかり走ってくれました。抜きつ抜かれつのレースでハラハラドキドキでした」と安堵感を口にした。

また、4区では東京国際大のケニア人留学生イェゴン・ヴィンセント(4年)が8人抜きの快走で、1時間ちょうどの区間新記録を樹立した。1年時の3区(21・4キロ=59分25秒)、2年時の2区(23.1キロ=1時間5分49秒)に続き、異なる3区間で新記録という史上最強の偉業を達成した。

5区(20・8キロ)でも城西大・山本唯翔(3年)が1時間10分4秒の区間新記録を打ち立てた。

<往路区間賞>

【1区=21・3キロ】富田峻平(明大)1時間2分45秒

【2区=23・1キロ】吉居大和(中大)1時間6分22秒

【3区=21・4キロ】中野翔太(中大)1時間1分50秒

【4区=20・9キロ】イェゴン・ヴィンセント(東京国際大)1時間=新記録

【5区=20・8キロ】山本唯翔(城西大)1時間10分4秒=新記録