日本記録保持者の田中希実(26=豊田自動織機)が前人未到の7連覇を果たした。4分11秒80で制した。残り900メートルで集団最後方につけながら、残り2周で11人を抜き去っていった。
9月の名古屋アジア大会代表に内定。13日の予選で派遣設定記録(4分7秒68)をクリアしており、優勝で出場切符をつかんだ。「今日は勝負に徹して、勝ちたいという自分の片鱗が見えたレースだった。アジアでは純粋に勝ちたいと思って戻ってきたい。勝ちたいかどうか分からなかった自分を脱却できるようにしたい」と意気込んだ。
13日の予選後には、二人三脚で歩んできた父・健智コーチとの関係性について「世間的には『コーチを変えたほうがいいのでは』という声も入ってくる」などと口にしていたが、この日もあらためて言及。「今季のはじめは目の前のレースも走りたくないと思ってしまう自分がいた。競技者として、この場にいるべきではないと思ってしまうほど。それでも走り続けるべき、というのが父の考えだった。最近は私の考えと父の考えが分岐点に差しかかっている。でも自分の考えとして、本当の自分の声に耳を傾けた時、このままだと心身ともに良くないと感じていた。父が○○と言っているから妥協するというのではなく、自分が感じていることをとことん伝え続けて、それでも父とやっていきたいと思う」と思いを口にした。
転機の1つとなったのは、5月の木南記念。1万メートルでアジア大会代表の権利を獲得したことで「(父と)ズルズルと来たが(木南の結果は)走り続けろ、ということの答えだったかなと思う。1種目をつかみとって、そこまで来たら、毒を喰らわば皿までと。自分は3種目を取るまで頑張ろうと思った」と独特の言葉選びで道のりを振り返った。「今の状態から突き抜けたら、父なしでもやっていけるかもしれない。(ただ今は)全てにおいて、父ありきだと思っている。いずれ完全に自分自身が、自分自身でこうだと思えるようにしたい。そこはまだ父と一体となっているので、アジア大会ではそこを表現したい」と思い描いた。

