私立のオンライン大学「ZEN大」が14日、東京都内で会見を開き、陸上部の設立を正式発表した。学長特別顧問・スポーツ教育アドバイザーには青学大を箱根駅伝9度の総合優勝に導いた原晋監督(59)を招へいすることも明かした。
ZEN大は、ニコニコ動画や通信制高校のN高やS高の運営などを手がける株式会社ドワンゴと、若者支援などに取り組む日本財団が提携して創設した通信制大学。陸上部の創設は今後、同大が推進していくスポーツ教育構想の一環という。
会見には原氏に加え、ZEN大の渡辺聡副学長、日本財団の笹川順平理事長、ドワンゴの川上量生顧問らが出席した。
原氏がZEN大陸上部の「強化プラン」を明かした。
部員は、すでに活動している同大陸上サークルから先行募集し、現在は選手やマネジャーを含め50人が入部を希望している。今後は新規部員の募集も始める。
陸上部の運営について、原氏は「強制的に関東学生競技連盟に登録しなければ『入れんぞ』という管理、監督型の運営システムはしないのが前提条件」としているが、所属選手は関東学連登録となる。原氏は「春のトラックシーズンである関東インカレ、秋には箱根駅伝予選会。当然、人数と能力がそろえば、予選会からチャレンジをし、あわよくばで出場できれば学生、そのご両親も輝くし、我々スタッフも輝く。またファンの皆さんにも、新しいムーブメントが起こってくる。箱根路がZEN大のユニホームが駆け抜けることをぜひ期待してください」と呼びかけた。
選手指導については「大前提として、私が前面に出て、現場レベルで指導するということは決してございません」と断言。今回の役割についてはチームの監督やコーチの人事などのサポートを行うものと説明する。
ただ、2004年青学大監督に就任後、22年間培ってきた経験をもとに、新たなスポーツ指導のかたちについても言及した。
「ヨーロッパ型のスポーツ展開をしていきたい」。
日本のスポーツ活動は世代やチームごとの単独で行うものが主流。しかし、原氏はヨーロッパ型の特徴をこう説明した。
「ある公園に行けばジュニアの選手からオリンピック選手までが集って、同じような空気感の中でトレーニングができる環境がある」。
現在は、青学大陸上部の活動を起点に陸上教室や記録会の開催などを展開する原氏。監督就任当初は駅伝の強豪でもある東洋大やベテラン指導者の川崎勇二監督が指揮する中央学院大に出向き、武者修行をした過去がある。
今回のアドバイザー就任は「恩返し」と語る。
今後はZEN大の学生が希望をすれば、青学大の選手と合同練習できる機会もつくるという。
新たな挑戦に乗り出した名将は「ジュニアから市民ランナー、大学スポーツ、トップカテゴリーの実業団の選手が週末に本学のグラウンドを利用して、走る環境が用意されている。そういった形を僕は理想系に置いている。通信制大の孤立した団体だけが活動するんじゃなくて、場合によっては多くの市民ランナーと触れ合うきっかけにつながっていけばいい」と青写真を描いていた。

