能登半島地震からちょうど5カ月となった6月1日。羽田イノベーションシティでは、Beyondカンファレンス2024 in HANEDA INNOVATION CITYが開催された。
その一部のエリアに、能登ブースが設置されるということで、石川県ゆかりのアスリートと共に募金活動を企画。当日は、輪島市出身の小口貴子さん(スケルトン)、七尾市出身の松平賢二さん(卓球)、小松市出身の岸大貴さん(トランポリン)、そして私の4人が集まり、募金箱を持った。
たくさんの方のご協力のおかげで、2時間ほどで3万円を超える募金が集まった。被災地にとっては小さな額かもしれない。しかし、来場した方々の優しい想いで集まった大切なお金だ。中には、「東日本大震災でお世話になったから」と話してくれる方や、「応援しているからね」と温かい言葉をかけてくれる方もいた。その笑顔に私もうれしくなった。
石川県ゆかりのアスリートの中でも、輪島市出身の小口さんは実家が被災。現在も電気やガスが通っていない状況だという。地域によって被害や復旧の状況には差があり、震災から手付かずのエリアもたくさんある。復興というにはまだまだ程遠い状況だ。
学校の運動場や広場などのスペースは、今もびっしりと仮設で埋め尽くされている。そのため、子供たちの遊び場が無くなっているという。
震災後に金沢へ避難した家族の中には、「子供の事を考えるともう能登へは戻れない」と話している方も多いそうだ。しかし、たくさんの思い出が詰まった故郷。「また活気のある能登が見たい!」という気持ちは、みんな同じだろう。
震災から5カ月が過ぎ、少しずつ復旧作業も進んできたその矢先。6月3日午前6時31分。またも能登で震度5強を観測する地震が起こった。
東京でも地震アラートが鳴り、身構えた。しかし、テレビをつけると震源地は能登半島沖という表示。実家や地元の友人にすぐに連絡した。あまり大きな被害は無かったと聞きホッとした。しかし、またしばらくは余震に警戒しながらの生活が続く。その事を思うと心が痛んだ。
日本に住んでいる以上、いつどこで起こるか分からない地震。
私も、元旦に実家へ帰省している時に能登半島地震が起き、「明日はわが身」という思いが強くなった。その後は、「防災」に関する本を読んだり、防災セミナーにも参加した。その中でも、「水、火、トイレ」の3つが生活する上で最も大切だと知った。そしてもう1つ。「ママが元気で過ごせるような環境を作っておく」という事が家族で乗り越える鍵だという。これを聞いて私もハッとした。子供たちはどんな状況であろうと、ママが楽しく元気なら楽しくすごせるのだ。
今回の募金活動を行うにあたり、今ある普通の暮らしが当たり前ではないことを改めて感じた。そして、「備えあれば憂いなし」。万が一のことが起こっても、しばらくは自力で生きていけるように、備蓄などを再確認する機会にもなった。
災害が起こると、無力な自分を痛感することも多い。しかし、能登半島地震をキッカケに、石川県ゆかりのアスリートが一丸となり、声をかけ合うようになった事はうれしいことのひとつ。
今後も大好きな石川県のために、私たちが出来ることを考え、少しでも力になれればと思っている。
(中川真依=北京、ロンドン五輪代表)




