国際オリンピック委員会(IOC)が国ぐるみのドーピングを理由に平昌冬季五輪へのロシア選手団派遣を禁じる処分を決めたことを受け、組織的なドーピングを一貫して否定してきたロシアは5日、強く反発した。五輪ボイコット論も出始めた。

 「五輪全面排除」というロシアにとって最悪の事態は免れ、個人参加の道が残されたとはいえ、国旗、国歌の使用を認めない厳しい内容。国旗を使用できないことにはプーチン大統領が「ロシアへの侮辱」と11月に発言しており、レベジェフ下院副議長は「五輪を完全にボイコットすべきだ」と訴えた。

 2014年ソチ冬季五輪当時にスポーツ相を務め、16年にプーチン氏が副首相に昇格させたムトコ氏が、五輪から永久追放処分を受けたことは、ロシアにとって衝撃だったとみられる。

 国営ニュース専門テレビ「ロシア24」などを傘下に収める全ロシア国営テレビ・ラジオ放送会社は5日、ロシア選手団が参加しない五輪の中継放送をしないと発表した。