アイスダンスでショートダンス(SD)2位の村元哉中(かな、24)クリス・リード(28=ともに木下グループ)組がFD3位の98・59点を記録し、合計163・86点で3位に入った。国際スケート連盟によると、この大会のアイスダンスで北米以外のペアの表彰台は初めて。代表に決まっている平昌五輪(ピョンチャン・オリンピック)団体戦でのメダル獲得、個人戦のSD突破に向けて大きな自信を得た。

 最終滑走を終えた村元は左手でリードの右手をガッチリと握り、得点発表の瞬間を待った。「あんなにドキドキしたキスアンドクライは初めてかもしれない」。3位の表示に喜びは胸いっぱいに広がった。「日本がメダルを取れた。とにかくうれしいっていう気持ちしかないです」。強豪の米国、カナダの五輪代表が出場していないが、SD、FD、合計の全てでペアの最高記録を更新した。

 シングルから転向した村元はリードとペア結成3季目。FDは坂本龍一の2曲を組み合わせた「桜」で人生を表現する。演技中盤では村元が自身の肩にあるテープをはがし、下に隠れた桜が満開になるなど、衣装の細部にもこだわる。全ては見る者に思いを伝えるためだ。五輪団体戦へ「(日本は)男女シングルがすごく強い。少しでもメダルに貢献して、満開の桜は平昌で咲かせたい」とメダルを意識し、リードも「まだ100%じゃない」。大舞台へもう1段ギアを上げる。【松本航】