世界ランキング13位の張本智和(14=エリートアカデミー)は、同1位の樊振東(はん・しんとう、中国)を破る大金星から一夜明け、準々決勝で同27位の丁祥恩(28=韓国)に1-4で敗れた。今日8日の5位6位決定戦で丹羽孝希(23=スヴェンソン)と対戦する。

 世界1位を破った張本が、格下相手に苦しんだ。準々決勝、6日の1次リーグで樊振東を破った試合と感覚が違った。「出だしでミスをして、あれおかしいなと思った。トーナメントで勝てなかったら意味がない」。うつむきながら、自分に厳しい言葉をかけた。

 丁祥恩とは2月のW杯(ワールドカップ)団体戦でも対戦し、3-1で勝っている。2月に対戦したことで対策が練られ、相手の凡ミスも減ったという。「今日は相手の強打があまりなくて、自分が打ったチャンスボールをブロックで返された」。攻略されたことも実感。成長著しい14歳は、格下との戦い方に戸惑った。「格上の相手には向かっていく気持ちで行けるけれど、気持ちの部分で樊振東さんとの試合のような勢いが作れなかった。受けて立つ時でもやっていけるようにならないと」。14歳は冷静だった。

 経験を糧に、さらなる成長を誓う。3月、1週間のドイツ合宿では父宇さんとフォアを徹底的に磨き、この試合でも手応えをつかんだ。「フォアは前よりは1球多く打てたし、球の威力と連続ドライブをもっとよくしていきたい」と前を向き、今日の5、6位決定戦を勝利で終えると誓った。【戸田月菜】