東日本卓球練習会(トップアスリート東北ブロック研修会)が10日、宮城・大崎市三本木総合体育館で行われた。開催16度目の今回は東北4県から中学3年~高校3年の女子72人が参加。コロナ渦で主要大会の中止が相次ぐ中、高校3年生と同2年生以下の部に分かれ、グループ予選リーグと決勝トーナメント方式で優勝を争った。

高校3年生の部は、相次ぐ中止で高校最後の実戦の場を失った最上級生に配慮して新設。決勝は桜の聖母学院(福島)町田千尋が3-0で聖ウルスラ学院英智(宮城)三浦亜加莉にストレート勝ちした。予選リーグから7戦全勝で、失ったのは22ゲーム中1ゲームだけ。「久しぶりの試合でしたが、だんだん感覚が戻ってきました」と右シェーク裏ドライブマンの攻撃スタイルを貫いた。

福島・大玉村出身で玉井小卒業後に岡山・就実中に卓球留学。高校は「地元で恩返ししたい」とUターンした。主将として2月の東北大会で団体優勝。だが全国選抜、4連覇を目指していた6月の東北高校選手権、全国高校総体も中止になった。一時は「自分たちの代で何も残せずに終わってしまう」と目標を見失いかけたが、主将最後の試合を優勝で飾った。小林直哉監督(40)は「いつも通りにやってくれた。どんな相手のスタイルにも対応できる。まだ卓球を続けるので卒業まで後輩たちを見てほしい」と期待した。

同練習会は「東北からオリンピック選手を育成する」をスローガンに、女子選手強化を目的に開催。仙台育英や青森山田で監督を務め、女子日本代表コーチやジュニア代表監督を歴任した大岡巌氏(68)が各指導者に呼びかけて始まった。五輪メダリストの福原愛さんらを育てた同氏は「少しでも大会の雰囲気を感じてくれれば。他校との試合は緊張感が違う。社会人になっても自分で判断できる力を卓球を通じて養ってほしい」と見守った。【佐々木雄高】

○…練習会には聖和学園、聖ウルスラ学院英知(ともに宮城)、宮古商工(岩手)を含む高校12校と中学3校、クラブ1チームが参加。桜の聖母学院勢の決勝になった高校2年生以下の部は、熊田朋華(1年)が3-1で鈴木若葉(2年)を振り切り、優勝した。また佐藤美佐希(宮城・秋保中3年)が中学生で唯一、決勝トーナメント進出した。