今月の近畿選手権で体調不良から約1年7カ月ぶりの競技会復帰を果たした三原舞依(21)が、64・50点を記録して2位発進した。首位の坂本花織(ともにシスメックス)とは5・90点差。演技を終えるとガッツポーズで喜びを表現し「順位も点数も自分の中で想像していなかったので、驚きが一番。まずは最後まで楽しく、笑顔で滑り切れたのが良かったです」と振り返った。

今季3戦目でまた進化を示した。冒頭のルッツ-トーループの連続3回転ジャンプは回転不足となったが、しっかりと着氷。ダブルアクセル(2回転半)、3回転フリップも成功させ、スピン3つは全て最高のレベル4とした。2季前のSPでも使用した「イッツ・マジック」で、ジャンプ構成も当時のものに戻した。実戦での収穫は自信となるが、満足だけでは終わらない。

「日に日に毎日練習していく中で、ちょっとずついい感覚が取り戻せてきているので、確率とか精度をトップレベルにしていけるように。まだまだ足りていないところがたくさんあるので、まだまだ追いつかないといけない」

この日の演技前は「『復活・三原舞依』を見せられるようにね」と中野園子コーチから語りかけられ「中野先生の手が温かくて、いつもその瞬間を楽しみにしているんですけれど、今日も温かかった」。フリーは31日。さらに高みを目指す。【松本航】