西日本選手権優勝の松生理乃(16=愛知・中京大中京高)が完全優勝を果たした。ショートプログラム(SP)首位で最終滑走。昨年はフリーで失速したが、今年は違う。「よぎりましたが、忘れて集中しました」とほぼ完璧な演技で、フリーも1位の129・32点。合計で198・38点と後続を引き離し、「193点が最高だったので、200点まで、あと少しは夢にも思わなかった。欲が出てきた。200点を目指して頑張りたい」と高みを見つめた。

白いリンクに映えるピンクの衣装。柔軟性を感じさせるしなやかな体の使い方に、余韻を残す滑り。2本目のジャンプとなったダブルアクセル(2回転半)では、着氷から片脚で巧みなスケーティングにつなげるなど技術面の高さも印象づけた。

「シニアの合宿に呼ばれて、スケート技術を学んだ」という。坂本花織と班が一緒で、伸びやジャンプの幅などに「感動した」と成長の糧にした。「比べたら足元にも及ばないですけど、膝を曲げて柔らかく滑るところは成長したのかな。(テーマは)男と女が愛し合い、障害を乗り越える。その乗り越える表現が難しかったと思う」とフリー曲を振り返った。

年末の全日本選手権(長野)には全日本ジュニア女王として臨む。「全日本は、今までテレビで見ていた。初出場で、このチャンスを無駄にせず、周りも見ず、自分が練習したことを出したい」と誓った。