11カ月ぶりの試合ということで、桃田本人も口にしていたように、まだ試合勘が戻っていないように感じられた。特に、ポイントを決めにいくエースショットを、相手に拾われてしまうシーンが何度もあった。

動きの面でいえば、シャトルの下に素早く入り、そこから体を使って打ち返す一連の動きが、スムーズではなかった。これに関しては1年近いブランクが影響しているだけでなく、まだ1回戦でエンジンがかかっていないという側面もあるだろう。

久々の実戦で、どうしても大事に試合を運ぼうとする気持ちがあったと思う。相手が嫌がるスペースを狙うというよりは、リスクが少ない場所にシャトルを運んでいるように感じた。本来なら、もっと短い試合時間で決着をつけられたはずだが、1つ1つのプレーを確認しながら慎重にプレーしていた印象だ。

リハビリやトレーニングを重ねる中で、ある程度のレベルまで練習を積んでこられていることは、耳にしている。ただ、練習でできることと試合で発揮できるパフォーマンスは異なる。私自身も現役時代、けがで実戦から離れた時期があった。1度試合を経験したことで、体がいろいろなことを思い出してくれた。桃田にとっても、復帰戦が実りあるものになって欲しいし、そうなると思っている。(08年北京、12年ロンドン五輪日本代表)