「最後のびわ湖」を鈴木健吾(25=富士通)が日本新記録で制した。2時間4分56秒(速報値)で初優勝を果たし、大迫傑(ナイキ)が20年東京マラソンでマークした2時間5分29秒を更新した。

鈴木が迷わずに出た。ケニア出身のサイモン・カリウキ(24=戸上電機製作所)、土方英和(23=ホンダ)と3人で形成した先頭集団。36キロ過ぎの給水地点で、思い切って仕掛けた。ぐいぐいと差をつけ、その1キロは2分53秒のハイペース。軽快な走りでフィニッシュテープを切った。

愛媛県出身で宇和島東高から神奈川大に進学。3年時には箱根駅伝で「花の2区」で区間賞を獲得し、その際も「後半勝負だと思っていた。最後の坂の攻略法は根性。死ぬ気で走りました。区間賞は狙ってなく、驚きました」と明かした。高校時代、朝練後に午後から20キロ走のメニューがある日。その間の時間を使って自主的に20キロを走り、周囲が「やめさせるのが大変だった」と苦笑いするほどの意欲があった。

大会は22年からは大阪マラソンと統合される。最後のびわ湖で、新たなヒーローが誕生した。