日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(64)が29日、都内で定例会見を開き、日本バドミントン協会が25日に開いた横領問題などに関する対応が十分ではなかったとの認識を示した。

バド協会で元職員による約680万円の私的流用や補助金の不正受給があった問題を巡り「会見でもあった通り、公表は本会が促したものだった。記者会見を実施したこと自体は評価するが、説明の中で、どうガバナンス(組織統治)上の問題があったのか明確にされなかった」と断じた。

この件に関しては定例会見後、籾井常務理事が対応し「少なくとも今の時点では(バド協会の)説明が十分に足りていると感じていない。さらなる対応を求めていく」とした。

具体的には「昨年10月にJOCに(内部告発が)届いてから、複数回、事実確認や横領と補助金の不正申請について、協会としての対応が適切だったのか求めてきた。それが、補助金の不正申請について『解釈ミス』と会見では説明されていた。我々は、もっと踏み込んだ『虚偽申請』という認識。解釈ミスが事実として正しいのか、客観的に調べてほしい」と求めた。

また、横領事案についても「評議員会やJOC、スポーツ庁など関係機関へ報告していなかった。ガバナンス上の問題点を公表し、説明することが足りていなかった。会見では、社会に対しての説明責任を果たすべきところ、十分な説明がなかった。もう少し求めていきたい」と続けた。

元職員による私的流用について、バド協会は19年3月ごろ把握したが、当時は翌年に迫った東京オリンピック(五輪)への悪影響などを理由に公表を見送っていた。

籾井氏の説明通り、昨年10月に関係者からの告発で問題を把握したJOCが調査と報告を指示。バド協会は外部の弁護士や社労士らを含む調査委員会を設置して同11月にJOCへ報告書を提出した。

その後、今月に入って山下会長らJOC幹部との話し合いの中で公表すべきと助言を受け、25日にバド協会の銭谷欽治専務理事が会見を開いて2件の事案を公表したが、今回、不十分との認識をJOCから明確に示された形だ。【木下淳】