ロシアのウクライナ侵攻を受け、米国に本部を置くF1チームのハースから契約を解除された元ロシア人ドライバーのニキータ・マゼピン(23)とオルガルヒ(新興財閥)である父親が所有する不動産や豪華ヨットなど1億500万ユーロ(約136億5000万円)相当の資産が凍結されたことが明らかになった。
ロシアに対する経済制裁の一環で、イタリア当局がサルデーニャ島に所有する広大な土地にある居住施設で資産を差し押さえたとCNNなど複数のメディアが伝えている。
ロシア最大の肥料メーカー、ウラルカリを率いる父親のドミトリー氏はプーチン大統領に最も近い関係の一人であると言われ、父子は先月9日に欧州連合(EU)による制裁対象リストに名を連ねていた。
ハースは先月5日、マゼピンとのドライバー契約を解除すると共にタイトルスポンサーを務めていたウラルカリとの契約も破棄している。マゼピンは制裁対象となる前に契約を解除されたことに対し、一方的な解除は不当だと反発。「制裁対象となることに同意しない。我が国に対するキャンセルカルチャーだ」などとBBCのインタビューで反論していたが、その直後に制裁リスト入りすることになった。
一方で、自国のウクライナ侵攻については、「私はあなたたちと同じ世界に住んでいるが、さまざまなレベルでそれ(戦争)を見るのは非常につらい。私の気持ちは明らかに人間として、平和な世界に住みたいと願う気持ちに変わっている。しかし正直に言うと、この件に関して発言することは大きなリスクがあるため、公に何か言うことはありません」と語っていた。
イタリア当局は、先月初旬にロシアへの経済制裁措置が開始されて以降、オルガルヒが所有する10億ドル(約1200億円)相当の豪華ヨットや不動産、美術品などの資産を押収している。押収リストの中で最も高価な資産は実業家アンドレイ・イゴレビッチ・メルニチェンコ氏の5億7500万ドル(約690億円)相当のスーパーヨットだと言われている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)



