東京オリンピック(五輪)個人総合金メダルで、10~11月の世界選手権(英国・リバプール)代表に内定している橋本大輝(20=順大)が、24年パリ五輪で五輪2大会連続金メダルを目指すステップを踏み出した。6種目合計85・864点で予選首位だった。

出だしから苦しんだ。2種目目の平行棒で落下し、続く東京五輪で金に輝いた得意の鉄棒は、予定していた新技、F難度のリューキンを回避。とっさの判断で急きょ演技構成を修正した。「自分の体を操れない」。前半3種目を終わって2班で8位と出遅れた。

何とかしようと出した答えが瞬時の瞑想(めいそう)だ。後半に行く1分休憩の間に、「初めて目をつぶって何をしているか見つめ直した」。その直後の床運動で、全選手の中で1位の14・733点をマーク。一気に立て直し、後半3種目で大逆転だ。

東京五輪後の10月に開かれた世界選手権(北九州市)は、東京五輪で金を獲得した個人総合、種目別の鉄棒ともに銀メダルだった。東京五輪での歓喜が、わずか2カ月後には、悔しさに変わった。「昨年、悔しい経験をした。その経験を生かして、この2日間を、本当に大事にしたい」と大会前は話していた。

今季からルール改正が行われ、多くの選手が対応に苦しんだ。橋本の首位も、他の選手のミスに助けられた部分はある。だからこそ、2連覇に向け、「決勝は序盤から最後まで集中してやりきりたい」と、世界王者の底力を見せつけるつもりだ。

 

○…19年世界選手権代表で、27歳のベテラン、神本雄也(コナミスポーツ)が85・765点で2位につけた。つり輪、平行棒では全選手中トップ。決して難度のD得点は高くないが、「Eスコアで勝負できた」と、ミスがなく、正確さと美しさで抜きんでた。所属先は、内村航平や田中佑典を育てた名門だ。しかし、大半が引退か移籍し、現在の在籍は神本を含む3選手だけ。「コナミもいるぞとアピールできれば」と話した。