1月にトンガ北部の海底火山で起きた大規模噴火の影響による被災者の救援と、被災地域の復興支援を目的としたラグビーのチャリティーマッチが11日午後1時、東京・秩父宮ラグビー場で行われる。

日本代表候補で構成する「エマージング・ブロッサムズ」に対するのは、トンガに縁があり、日本でプレーする選手が集った「トンガ・サムライフィフティーン」。個性豊かなトンガチームの話題をまとめた。【取材・構成=松本航】

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◆テーマは「感謝」

トンガ出身の元日本代表タウファ統悦FWコーチ兼チームマネジャー(41)が中心となって作製したエンブレムには「KANSHA」の文字。同コーチは「ラグビーというスポーツが日本とトンガをつないでることを表しています。トンガ人が日本に来て、日本の人たちが僕たちを受け入れてくれたことにも感謝です」

◆秘密の「シピタウ」

トンガ代表が試合前に踊る伝統の「シピタウ」。今回は感謝の思いを込めたオリジナルバージョンを作り、全ての時間がメディアに公開された前日練習でもシピタウの練習時だけは非公開。タウファ統悦氏は「高知合宿でもラグビーの練習より、シピタウの練習の方が長かった。朝の練習、午後の練習、夜のミーティング後もシピタウ。明日、声、大丈夫かな?」。19年W杯日本代表のSOレメキは「シピタウの練習をやりすぎて…」と声がガラガラ。

◆レジェンド首脳陣

団長は42年前の1980年(昭55)、トンガから「そろばん留学」でやってきたノフォムリ・タウモエフォラウ氏(65)。監督は日本代表でも活躍したラトゥウィリアム志南利氏(56)。ラトゥ監督は大東大入学当初を思い返し「僕も帰りたかったけれど、彼(最初の留学生のノフォムリさん)の方が大変。彼が帰っていたら我々もいない。選手には『後輩のためにもいい手本を見せてあげないと(日本とのつながりが)途切れるよ』と伝えています」

◆サインはトンガ語

日本滞在歴の長い首脳陣は、母国語ながら、コーチングに一苦労。元日本代表のホラニ龍コリニアシFWコーチ(40)は「一番のチャレンジはトンガ語でのコーチング。日本語や英語はあっても、初めての経験。(BKコーチの元日本代表オト・)ロペティさんは、ほとんど日本語だったね」

◆トンガにルーツのないSH人羅

大阪・東海大仰星高から同志社大を経て、花園近鉄ライナーズ所属のSH人羅がメンバー入り。SH不足が招集の理由で「結構(親戚がトンガという)うわさが流れている。統悦さんには『ひいおじいちゃんがトンガの人。知らんけど』って言っていたらいいと言われました」とニヤリ。高知合宿を過ごして「突然トンガの歌を歌ったり、お祈りもある。歌を歌い出すとみんな知っているみたいで、ポンポン出てくる。僕は日本語で質問。(プレー中は)表情とかジェスチャーを見て、判断しています」

◆日本代表へアピール

日本代表を目指す選手たちも数多く出場。ラトゥ監督は「全員気合が入っているけれど、代表に漏れた(プロップの中島)イシレリや、NO8のナエアタ・ルイ。何とかここで、もう1回(実力を)見せてもらって、復活してもらいたい」

◆テレビ中継

チャリティーマッチはトンガでも中継。唯一の大学生(大体大)となるフッカーのマウは「僕がテレビに出たら、多分、親がうれしいと思う」。試合当日は日本協会が企画し、会場でトンガへの募金活動を実施。銀行口座での募金も受け付け、寄付金と試合の収益金を駐日トンガ王国大使館へ寄付する。

 

◆トンガ・サムライフィフティーン試合登録メンバー

〈1〉中島イシレリ(神戸)

〈2〉アルファネスタ・マヒナ(花園)

〈3〉シラ・プアフィシ(花園)

〈4〉タラウ・ファカタバ(BR東京)

〈5〉エセイ・ハアンガナ(埼玉)

〈6〉ヴィリアミ・アフ・カイポウリ(三重)

〈7〉バツベイ・シオネ(主将、東京ベイ)

〈8〉ナエアタ・ルイ(大阪)

〈9〉岡新之助タフォキタウ(スクラムヒューマンパワー)

〈10〉レメキ・ロマノラバ(東葛)

〈11〉トロケ・マイケル(宗像)

〈12〉パエア・ミフィポセチ(大阪)

〈13〉タウモエぺアウ・シリベヌシ(愛知)

〈14〉ラトゥ・クルーガー(相模原)

〈15〉ラリー・スルンガ(大阪)

〈16〉シオネ・ハラシリ(横浜)

〈17〉シオネ・マウ(大体大)

〈18〉ラタ・タンギマナ(花園)

〈19〉アシペリ・モアラ(東京ベイ)

〈20〉ツポウ・テビタ(花園)

〈21〉人羅奎太郎(花園)

〈22〉ハビリ・リッチー(横浜)

〈23〉トニシオ・バイフ(大阪)

〈24〉マノア・ラトゥ(埼玉)

〈25〉リエキナ・カウフシ(花園)

 

◆エマージング・ブロッサムズ(日本代表候補)試合登録メンバー

〈1〉三浦昌悟(トヨタ)

〈2〉堀越康介(東京SG)

〈3〉浅岡俊亮(トヨタ)

〈4〉ビンピー・ファンデルバルト(大阪)

〈5〉辻雄康(東京SG)

〈6〉シオネ・ラベマイ(BL東京)

〈7〉嶋田直人(横浜)

〈8〉セル・ホゼ(花園)

〈9〉茂野海人(トヨタ)

〈10〉田村優(主将、横浜)

〈11〉根塚洸雅(東京ベイ)

〈12〉立川理道(東京ベイ)

〈13〉ラファエレ・ティモシー(神戸)

〈14〉竹山晃暉(埼玉)

〈15〉尾崎晟也(東京SG)

〈16〉中村駿太(東京SG)

〈17〉海士広大(東京ベイ)

〈18〉津嘉山廉人(横浜)

〈19〉秋山大地(トヨタ)

〈20〉大戸裕矢(静岡)

〈21〉飯野晃司(東京SG)

〈22〉テビタ・タタフ(東京SG)

〈23〉小山大輝(埼玉)

〈24〉メイン平(BR東京)

〈25〉テアウパ・シオネ(東京ベイ)