日本(世界ランク10位)がフランス(同2位)からの初勝利を逃した。
前半を3-21で折り返すと、後半2分にSH斎藤直人(25=東京サントリーサンゴリアス)のトライで反撃。一時は11点差に迫ったが、同33分のトライで突き放された。試合後、現地で選手らが口にした思いをまとめた。(トゥールーズ=松本航)
◆試合を振り返って
◇リーチ・マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)
「前よりボールを継続してアタックできて良かったのと、前回よりスピーディーなアタックができて良かった。相手の強いモールをディフェンスで止めたのも良かった。あとは80分通じて戦い続けられたのが良かった。ただ、勝つことができなかった。プレッシャーがあるところで、簡単なトライを失ったのが2つぐらいあった。まだまだ強くならないといけないと感じた」
◇李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)
「前半から相手のフィジカルとキックプランのところで、結構プレッシャーを受けた。スコア的には広げられていたが、自分たちがやろうとしていることは結構できていた。キックカウンター、敵陣に入ってからの自分たちのアタックはポジティブに捉えたい。後半に入ってからも、すごくいいアタックができていた。結果的には満足いく結果ではなかったが、来年に向けて、いい収穫になったテストマッチかなと思う」
◆フランスなど強豪との差
◇流大(東京サントリーサンゴリアス)
「一概には言えないが、スコアできる時にミスをしてしまったり、ニュージーランドとかとの差は予測力など。次に何が起こるかというのを、全員が感じて『相手がキックを蹴ってくるな』と思った時は、それに素早く反応できる力とか。日本はリアクションに対しては強いが、予測力や、ゲームを読む力というのが、まだまだ足りない。もっと突き詰めていかないといけない」
◇ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ
「ティア1(世界の強豪10チーム)は今日の試合もそうだったが、プレッシャーの中でミスを犯してしまうと難しくなる。修正していかないといけないのは、セットピース、しっかりとタックルを決めること。相手は体が大きいので、しっかりタックルをしないと、オフロード(パス)だったりで、後ろに下がってディフェンスをしてしまう。そうすると、なかなか難しくなる。自分たちの中で気を緩めてしまった瞬間もあった。メンタルの部分もティア1に勝つためにはチャンスは1回しかない。そのチャンスをしっかり仕留めないといけない」
◆今後に向けて
◇稲垣啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)
「(12月開幕の)リーグワンに入って、自分たちが何をなすべきなのか。リーグワンのレベルが低いとかそういう話をしているわけじゃなくて、リーグワンに身を置きながらも、世界で戦うためには何が必要なのか。あらためて今日、プレーヤーは理解できたと思う。リーグワンのレベルに合わせてしまってはいけない。常に自分のスタンダードをリーグワンではなくて、世界で戦うためのスキル、世界で戦うための体、世界で戦うためのマインドセットにする。それをリーグワン中に持ち続けないといけないというのは、常々感じている」