ショートプログラム(SP)首位の宇野昌磨(25=トヨタ自動車)が3年ぶり5度目の優勝を飾り、2連覇が懸かる世界選手権(23年3月、さいたまスーパーアリーナ)の代表権をつかんだ。

フリー191・28点を記録し、合計291・73点。宇野は試合後「世界選手権、もっともっとまだレベルアップできるというところをやっていきたい」と話した。

北京五輪銅メダル2個、世界選手権初優勝、グランプリ(GP)ファイナル初優勝と飛躍した2022年を、最高の結果で締めくくった。

高まる注目度にも動じず、世界をけん引する存在として日本の頂点に立った。2日前のSP後。2週前のGPファイナル(イタリア・トリノ)を踏まえ、取材エリアでは「フリーはしっかり練習してきている。この大会はファイナルから短期間なので『たくさん練習してきました』というところはないんですけど、ファイナル同様、自分のその時のコンディションに合わせた演技ができればいいなと思います」と口にした。心身の状態を冷静に分析し、短期間での練習と、大阪入り後の調整で最終滑走でのフリーの演技につなげた。

今月17日に25歳となった。初の日本一は6年前の16年、同じ会場での全日本選手権だった。さまざまな経験を経て、5度目となる表彰台の頂点に立った。

「最近では『失敗もすごくいい経験になる』と分かってから、スケートを苦しくなくやることができている。数年前だったら『スケート人生、長くないな』って思っていましたけれど、今はいつ辞めようとか思ってないですし、いつまでやろうとも思っていない。(競技人生が)すごく短いかもしれませんし、長くなるかもしれませんけれど、そういったメンタルで臨めています」

2023年も続く世界での戦い。宇野の向上心は衰えない。【松本航】

【フィギュア】宇野昌磨3年ぶり5度目V/全日本男子フリー速報