パリ切符をかけた勝負の3連戦に臨む。五輪予選W杯バレー(プールB)に出場中の男子日本代表(世界ランキング4位)は5日、都内のナショナルトレーニングセンター(NTC)でボール練習やウエートトレーニングで調整。今日6日からセルビア(同9位)、スロベニア(同7位)、米国(同2位)と続く強豪戦に備えた。チームは1日にエジプトに敗れ、現在3勝1敗で同プール4位。上位2チームまでが得る五輪出場権の獲得ラインは6勝1敗とみられ後がない状況だが、一戦必勝でつかみ取りにいく。その負けられない戦いで、攻守にわたる活躍が期待されるのがアウトサイドヒッター高橋藍(22=モンツァ)。Vリーグ1部サントリーでプレーする藍の兄、高橋塁(23)が、愛弟との思い出を振り返りながら、エールを送った。
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今では1つ2つ次元が違うところにいってしまいましたが、藍が日の丸を背負って世界と戦う姿は、同じバレーボールプレーヤーとして、大きな活力になっています。最近の弟を見ていて一番成長したなと感じるのは、精神面。エジプト戦は負けてしまいましたけど、すごく自信を持ってプレーしていると感じました。あの日は落ち込んでいるかなと思っていたら、家族LINEですぐに「ここからやるしかない」と返ってきました。「誰よりも早く切り替えてるんやろな」って心強かったです。
東山高時代は、僕が3年、藍が1年で対角を組みました。当時から僕と同じぐらい動けていたので、「ここから伸びるやろうな」って思っていました。春高で優勝して(東京)五輪に出場するまでは想像できませんでしたが…(笑い)
運動神経は小さい頃から抜群でした。いとこや兄弟みんなで外で走り回ったり、いろんなスポーツをすることが日課でしたが、弟はなんでも出来ました。足も速いし、かくれんぼも最後の最後まで残っているみたいな。バレーでも、コピーする能力に優れていました。誰も教えてないことをVリーグの映像をまねしてやってみせ、周囲を驚かせたりしていました。
それでも、中学の時は悔しい思いもあったようです。18歳の自分へ送る手紙には「塁はすごい。自分は活躍できるか不安」と書いていました。中学入学時は身長が150センチそこそこだったので、悩んでいたんだと思います。でも、ネガティブな姿は決して周りには見せませんでした。お母さんも知らなかったくらいですから。
W杯の試合後のインタビューで「楽しい」と言っていました。もちろん、ここから3連勝してほしいという気持ちが100%ですが、その楽しむ気持ちを、最後まで忘れずに頑張ってもらえたらうれしい。そしてチームとしても、パリ五輪出場権をぜひ獲得してほしい。将来一緒のコートでプレーできれば最高ですけど、たとえそこに行けなくても、僕もできるところまで藍と同じように全力でバレーを楽しみたいと思っています。
◆高橋塁(たかはし・るい)2000年(平12)1月14日生まれ、京都府出身。元女子日本代表の栗原恵さんに憧れ、小3時に競技を開始。東山高から日大に進学し、3年時に全日本インカレで3位。卒業後はVリーグ1部サントリーに入団。身長186センチのアウトサイドヒッター。名前の「塁」は、野球好きの父が名付けた。
◆パリ五輪への道 パリ五輪出場枠は開催国フランスを含む12。五輪予選のW杯バレーは、世界ランキング上位24カ国が8カ国ずつ3組に分かれ、総当たりで対戦。ブラジル(プールA)、日本(同B)、中国(同C)で開催され、各組上位2カ国の計6カ国が出場権を得る。残る5枠は、来年のネーションズリーグ(VNL)予選ラウンド終了時(6月)の世界ランキングで決定。日本がW杯バレーで出場権を逃した場合はVNLに出場し、ポイントを重ねてランキングをより上位に上げることが必要。W杯バレーでの大陸別の切符獲得状況も、重要な要素となる。


