部員に大麻物質の所持、使用疑惑が浮上した関西学院大アメリカンフットボール部ファイターズが30日、大阪市内で会見した。日本協会から、U20(20歳以下)日本代表の部員1人が大麻物質の所持・使用による無期限活動停止、他4人の規律違反が発表されたことについて「大麻所持・使用の事実認定によるものではありません」と否定した。チームの活動も継続すると明言した。

部としても、当該選手に対して「無期限活動停止」の処分を行ったが「理由は前日本協会の毛髪検査を受けなかったため」と主張した。尿検査を陰性で「使用の事実を認定するに足る有力な証拠を把握しておりません。この点は、現時点において日本協会の発表内容とは見解の相違があります」としている。

<関学大が発表した経緯の要旨>

・U20世界選手権が6月22~30日(現地時間)にカナダ・エドモントンで開催され、関学大から選手10人が日本代表チームに選出されて大会に参加。

・日本代表が7月2日(日本時間)に帰国した翌日、参加選手が大麻を使用したのではないかとの情報が部に提供され、部として慎重かつ主体的に調査を行ってきた。

・7月3日以降、疑いがあるとされた選手5人には複数回の聞き取りを行うとともに、それ以外の代表選手・スタッフへの聞き取りも実施。当該選手たちは、いずれも大麻使用を否定したため、承諾を得て検査キットによる尿検査を7月5日に実施。大村和輝監督とアシスタントディレクター(AD)に加え、部と直接利害関係のない本学職員の立ち合いのもと、採取の際にADが斜め横に立って不正を監視し、コップを受け取って3人で結果を確認する厳格なプロセスで進めた結果、全員が陰性だった。この時点で、カナダでの大麻使用はなかったと大学側は判断した。

・その後、日本代表チームを所管する日本協会にも同様の情報提供があり、同協会として7月8日に調査が開始された旨の連絡があった。日本協会から、日本代表チームの選手・スタッフ全員にアンケートを行い、それに基づいて聞き取り調査を行った上で、疑いがある選手5人に対して分析機器を用いた毛髪検査を受検するよう要請があった。

・対象選手5人のうち3人(選手C、D、E)は8月1日に日本協会の管理下、検査専門機関で毛髪検査を受検。8月13日に検査結果が陰性であった旨の連絡を日本協会から受けた。3人は部の指示によって7月3日から練習への参加を暫定的に停止していたが、8月14日から練習への復帰に向けたプロセスに入った。

・残り2人(選手A、B)は、日本協会による毛髪検査について、期限となっていた8月10日までに承諾の意思表示をしなかった。部としては、日本協会の要請(毛髪検査の受検)に適時に従わなかったことは重大なことと考え「無期限活動停止」の処分を決めた。13日に本人に伝達。その後、8月14日に1人(選手B)は受検する旨を日本協会に申し出て受検を認めてもらい、選手C、D、Eの時と同じく協会管理下で19日に検体を採取。28日に結果が判明し、陰性だった。

・部による調査の過程で、当該の5人にはカナダでの大会期間中、疑義を生じるような紛らわしい行為があったことも判明。日本代表は部と同様、禁煙がルールとなっているが、vape(水蒸気を用いた電子たばこの一種)を現地で購入したり(選手A、B、C)購入に付き添ったり(選手E)使用したりした者(選手B、C)がいた。ただし、この2選手は「使用したものは果実フレーバーのもの」と証言。他国選手からウイニングシガーとして、たばこ状のものを譲り受け、使用せず部屋に保管していた例もあった(選手D)。

・特に選手Bは、大麻使用を疑った他の選手が代表監督に伝えようとしていたのを止めるような発言、他の選手がvape等を撮影した写真・動画を消すように依頼したことから、周囲に誤解や臆測を生じた可能性がある。

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関学大に浮上した大麻問題を巡っては、日本アメリカンフットボール協会がこの日正午、U20(20歳以下)日本代表で関学大に所属する5選手に重大な規律違反があったとして、協会の倫理懲罰規程に照らした処分をこの日付で当該選手に科したと発表していた。

<選手に対する処分の内容と対象人数>

▼日本代表に選抜される資格の停止 無期限1人、2年間1人、1年間3人

▼当該選手の日本協会管轄下(※)における活動の停止(無期限)を所属大学に勧告 1人

▼当該選手の対外試合出場停止(6カ月)を所属大学に勧告 1人

▼厳重注意 4人

※日本協会傘下の団体、またその団体に加盟するチームを指す