【サスカトゥーン(カナダ)=藤塚大輔】昨季の世界選手権銅メダルの千葉百音(もね、20=木下グループ)が、貫禄の首位発進を決めた。72・29点とし、自己ベストに1・15点と肉薄。来年2月のミラノ・コルティナ五輪代表3枠を巡る争いに弾みをつけるべく、1日(日本時間2日)のフリーでGP初優勝へ突き進む。17歳の中井亜美(TOKIOインカラミ)は66・55点で4位となり、表彰台まで1・56点差につけた。
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千葉の表情は変わらなかった。演技直後の取材エリア。最終滑走のレビト(米国)が2位となり、GPで2度目の首位発進が決まった。
「あら」とつぶやいたが、喜びは表に出さない。「うれしい思いもあるけど、本当に勝負が決まるのはほぼフリーと言っても過言ではない」。淡々とした口調で自らに言い聞かせた。
動じない。昨季世界選手権銅メダルの実力者は、そう肝に銘じていた。
10月中旬開幕のGPシリーズは、すでに2戦が終了。日本女子は4人が表彰台に立った。3戦目から登場する千葉は「焦りもあって『自分ができるかな?』と心配もあった」と不安を感じた。
同シリーズ上位6人が進むファイナル(12月、名古屋)は、五輪選考に大きく関わる舞台。日本勢の活躍に心が揺れかけたが「他の人に勝ちたいと思うと、自分は成長がおろそかになるタイプ」と思い直した。
「私は自分のためにスケートをしている」
この日は自分自身に集中した。全3本中2本のジャンプで「高さが足りなかった」と思うように加点を得られなかったが、3つのスピンとステップシークエンスで最高難度のレベル4を獲得。トリプルアクセル(3回転半)や4回転ジャンプのような大技はないが、武器の安定した滑りでカバーし「努力の方向性が正しいと確認できた」とうなずいた。
GP初優勝がかかる中、2位と0・49点差でフリーに臨む。「演技に入り込んで自分の世界観を作って、ノーミスすることだけに集中したい」。首位発進にも浮つくことはない。毅然(きぜん)とした顔つきでフリーを見据えた。


