加山雄三のコンサート卒業 寂しくないと言ったらやっぱりウソになる

【番記者裏話】スクープや芸能界の最新情報を求めて現場を駆け回る芸能記者が、取材を通じて感じた思いをつづります。

番記者裏話

相原斎

この4月で85歳になった加山雄三が先日、コンサート活動を年内で終了することを発表した。

年齢差48歳の若者とロックバンドTHE King ALL STARSを結成したタイミングでインタビューしたのは8年前のことだ。初めて付けたイヤーモニター(イヤモニ)の感触を面白がる少年のような笑顔が印象的だった。

大音量の中、ステージ上を移動しながら演奏するロックコンサートでは、音響チェックのイヤモニは必需品だが、「今までは、補聴器と間違われるので着けるが嫌だった」と照れくさそうに明かした。が、このインタビューの間際で参加したロックフェスで、周囲の大音量に自分の声が聞こえなくなり、「恥ずかしいことになった」という。それをきっかけに「どうせならかっこいいヤツを」とEXILEのATSUSHIと同じ黒のイヤモニをあつらえた。

「着けてみれば、ちゃんとミキシングされたいい音が入ってくるんだよね。大音量にも負けなくなった。ツイッターを見たら『加山ちゃんとギター弾いてるじゃん』だって。若い人の認識ってそこからなんだね。それでも一歩前進には違いない」

コンサートツアー復帰を果たした加山雄三

コンサートツアー復帰を果たした加山雄三

かようにものごとを前向きに考える人なので、「歌えなくなってやめるのではなく、まだ歌えるうちに」というコンサート卒業のコメントは本心だと思う。

個人的には、小学生の時に見た東宝の怪獣映画の併映作は決まって「若大将シリーズ」だったし、サザンオールスターズがまだデビューしていなかった高校時代には、湘南ソングといえばやっぱり加山の歌だった。

一方で、3年前には腰圧迫骨折、2年前には脳内出血と、年齢を自覚せざるを得ない出来事が続いた。きれいに「卒業」したいという思いも無理はない。

が、卒業発表を聞いて、寂しくないと言ったらやっぱりウソになる。