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第381回    市村正親  
2003.09.28付紙面より

市村正親
写真=撮影日は取材日だったらしく、朝からインタビューの嵐。なのに疲れた表情ひとつ見せず、おもむろに腰を下ろす。レンズを向けての数秒後、みるみるうちに周りの雰囲気と一体となった。ただ座っているだけなのに市村正親を表現してしまう。数分のフォトセッション、私が撮った1枚ではなく市村さんに撮らされた1枚です
(撮影・たえ見朱実)

「仕事は自分で取りにゆくもの」

 ミュージカル界の第一人者、“イッちゃん”こと市村正親(54)がデビュー30周年を迎え、記念リサイタル「オモチャ箱」を東京など各都市で開く。「記念とかリサイタルは好きじゃないので、これっきり」とテレるが、来年は森繁久弥、西田敏行の後を継いで「屋根の上のヴァイオリン弾き」のテヴィエ役が決まっているなど、まだまだミュージカル街道をばく進する構えだ。


間断なく大作

 「よく30年、順調にこられたな、というのが実感ですね。いい作品との出合いが間断なくあったからだと思います」と、市村は淡々と話す。73年6月、劇団四季のオーデションに合格して「イエス・キリスト=スーパースター」(後に「ジーザス・クライスト−」と改題)のヘロデ王でデビューして以来、四季のプリンスとして数々の名作、ヒット作に出演してきた。

 芸術選奨新人賞を受けた初主演作「エクウス」以下、「カッコーの巣をこえて」「コーラスライン」「エレファント・マン」「キャッツ」「ロミオとジュリエット」「オペラ座の怪人」…日本のミュージカル、新劇の歴史を作ってきたといっても過言ではない。「自慢じゃないんですけど。ほんと、自慢じゃないですよ」と2度も念を押してから「数えたらブロードウェーミュージカルだけで22本も出ているんです」と、過去を振り返るような表情をした。

 −−30周年記念と銘打った「オモチャ箱」は初めてのリサイタルですよね

 市村 あんまり仰々しいのは好きじゃないけど、30年の区切りだから。一口に言えば僕の30年を振り返る舞台です。主演ミュージカルのテーマ曲をたくさん歌います。「ヒップホップで語るダンスヒストリー」ではラップに挑戦しますよ。それと父さん、母さんに感謝する歌も。ずっと見てくれたファンには思い出を、最近見出した方には「市村はこういうことをやってきたんだ」と思ってくだされば…。

 −−その次はすぐに「リチャード三世」

 市村 2度目なので、今度は超の付く悪を演じたいですね。演出の蜷川(幸雄)さんは進化する演出家といわれますが、僕も進化する役者でいたい。

 −−で、次の映画「ホテル・ヴィーナス」ですが、映画初出演とはびっくりです

 市村 うん、これは僕の役が全編ハングルでやるっていうのにひかれた。5月ごろから「初級講座」の本で勉強しているから、一応読めるようになりましたよ。正確な発音はこれからだけど。映画やテレビも絶対に嫌というんじゃないんですが、2〜3カ月もスケジュールを空けるのが無理なのでなかなか…。

 −−来年はいよいよ大作「屋根の上のヴァイオリン弾き」に挑戦ですが、森繁さん、西田さんは意識しますか

 市村 森繁さんが初演したのが54歳で今の僕と同じなんです。不思議な縁を感じますね。僕はイメージとしてハードな感じにしたい。人生はのんびり楽なもんじゃなくて、宿命や悲しみを受け止めて生き抜くんだというハードさをね。

 次の仕事の1人芝居「市村ざ」(04年6月)を含めて再来年までスケジュールが入っているという。市村の視線はずーと先を見据えているようだ。


付き人で学ぶ

 市村にとって故西村晃さんの付き人を3年間務めたことは「役者人生の原点」になっている。高校時代に滝沢修主演の民芸「オットーと呼ばれる日本人」を見て「わずか2〜3時間の間に、こんなに激しい人生を送れる仕事があったとは」と感動、大学へ行く代わりに演劇の専門学校、舞台芸術学院に入った。そこで特別講師に来た西村さんと出会う。「2年生の夏休みにアルバイトで付き人をやったんです。卒業後も特に行く所がなくて『しばらくオレに付いて勉強しないか』と誘ってくれて」21歳から3年間付き人稼業をやった。

 −−付き人時代に学んだことは

 市村 一流の役者と三流の役者の違いが見られましたね。先生の楽屋に来る人たち、例えば(故萬屋)錦之介さん、(故三木)のり平さん、小沢昭一さん、三国連太郎さんたちは芝居の話しかしません。骨の髄まで芝居が染み込んでいるんだなあと思った。それに引き換え、だめな役者は役不足を嘆いたり演出家へのグチを言ったり。それも陰でね。それを見て、自分を鍛えなきゃ、と思いました。


板の上で勝負

 市村は「仕事は自分で取りにゆくもの」と言い切る。かといって、失礼ながらルックスはアイドル系でもなく映画向きのハンサムタイプでもない。むしろエキセントリックな陰のあるほうだ。そこへもってきて「酒の席でわいわい盛り上がって取り入るのは嫌い」だから社交術は苦手だ。だから、ひたすら自分を磨いて「敵の懐に飛び込む」のだ。劇団四季入りのきっかけとなった「イエス・キリスト=スーパースター」もフリー後最初の大舞台「ミス・サイゴン」もオーディションで勝ち取ったものだ。

 −−四季では浅利(慶太)さんの感化を

 市村 僕の役者人生の8割は浅利さんの恩恵ですね。「青い鳥」の時、舞台そでからダメ出しをもらって「もう君みたいな俳優は使えない」と言われたんです。自分なりに反省したことを手紙に書いて(こういう時に口で言うのは不得意なので)持って行きました。読み終わった浅利さんは「そうか(これからは)楽しくやれるな」と言ってくれました。今思うとテストされたのかも…。いい役が続いて鼻っ柱が高くなっていたのかもしれません。愛情表現だと思いますよ。

 −−浅利さんのけいこは厳しかった?

 市村 徹底的にしごかれました。でも僕は、たたかれ、蹴られたほうが自分が強くなれると思う。中学で柔道部にいて投げられっぱなしで受け身には強いですから(笑い)。けんかもしない。ある時、酒の席で僕をねたんだやつに殴られたことがあった。抵抗しませんでしたね。役者は板の上が勝負、こういうやつには芝居で勝つんだって、我慢しましたね。


“芸の貧乏性”

 普段の市村は、自称「スズメの巣」の無造作なパーマ髪、服装もジーパンなどラフでおよそスターらしくない。交通手段も電車、バス利用と気取らない。初めはちょっとシャイな感じだが、何度か取材するうちに“イッちゃん”とか“イチ”と呼びたくなる、ソフトで人なつこい雰囲気がある。四季の先輩、日下武史(72)の言葉「俳優というものは、普段は市井の人間で、舞台に立ったらキラッと光らなくてはいけない」を実践している。そして「けいこはハードで本番が楽しいのが理想だね」と言うけいこの虫。かつて浅利氏が「とにかく暇さえあればダンスや発声の自主レッスンをしている男」と市村を評したのだから保証付きだ。リフレッシュ法を聞いても「仕事をすることでリラックスできる。好きな仕事をしているんだもの、息が詰まるなんて。休みには次の仕事のけいこや準備で過ごす」というから“芸の貧乏性”なのかもしれない。

 −−体力は大丈夫?

 市村 45歳過ぎたころからかなあ、自己回復力が衰えたなあと自覚したのは。今、ひざに水がたまるので週3回ハリ治療に通ってます。普段でも週1回。もうジムなんかで動くと疲れちゃう。毎日のウオーミングアップ30分ぐらいが適量だね。

 −−じゃ、食べ物にも気を使う?

 市村 旬のものがいい。後は飯、白い飯にサンマ、大根おろし、納豆なんか最高ですね。たまに実家に帰ると母に手料理を作ることもありますよ。サラダ菜の上にオリーブオイルで揚げた魚を乗せたり、豚もやしとかアイデア料理ですね。おいしい時は「おいしい」って言うけど、まずいと聞いても黙っちゃう。

 市村には芸能界にも母と父がいる。「おっかあ」と呼ぶのが山田五十鈴(86)、「おやじ」が島田正吾(97)だ。2人とも病気療養中だが、市村は「山田先生とは『桜の園』で、島田先生とは『瞼の母』で共演できたことは本当に幸せだと思います」と大先輩に感謝を表した。

 −−共演したい人は

 市村 大竹しのぶさんとはやってみたい。「エレクトラ」を見たけど、狂気を含んだ女優さんっていいよね。狂気だったらオレも負けないよ。(中村)勘九郎さんとも歌舞伎に近い形の芝居を一緒にできたら楽しそう。少し前に会った時に来年の1人芝居で『文七元結』をやると言ったら「へえー、見に行きたい」って言ってましたよ。


役柄によって全く別人になる

 劇団四季時代からの“弟分”山口祐一郎(46) 私が81年4月に「ジーザス・クライスト=スーパースター」のジーザスでデビューした時にヘロデ王をやってくださって以来のご縁です。市村さんは役柄によって全く別人になってしまうのがすごいです。前回の「レ・ミゼラブル」の時に、私の楽屋へ来て「良かったな」とひと言、後は何も言わずに泣いてくれたことがありました。いい先輩を持ったな、とジーンときました。今後も立て続けに仕事があるようですが、市村さんは頑張らなくても十分にすてきですから、あんまり頑張らないで、と言いたいですね。


 ◆市村正親スケジュール
 ▽30周年リサイタル「オモチャ箱」10月8〜13日、東京・渋谷シアターコクーン
 ▽初写真集「市村正親」10月16日、朝日新聞社刊
 ▽「リチャード三世」12月5〜28日、東京・日生劇場
 ▽「屋根の上のヴァイオリン弾き」04年4月3〜13日、池袋・東京芸術劇場
 ▽映画「ホテル・ヴィーナス」4月公開予定
 ▽1人芝居「市村ざ」6月


 ◆市村正親(いちむら・まさちか) 本名同じ。1949年(昭和24年)1月28日、埼玉県生まれ。73年劇団四季「イエス・キリスト=スーパースター」で初舞台。翌74年に正式入団。「エクウス」「オペラ座の怪人」などに主演、四季のトップ俳優となる。90年に退団後も菊田一夫演劇賞大賞、芸術祭賞を受けた「ミス・サイゴン」や「ラ・カージュ・オ・フォール」などミュージカル中心に活躍。1人54役の「クリスマス・キャロル」も話題に。02年の「海の上のピアニスト」で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。妻は女優八重沢真美(41)。170センチ、62キロ。血液型A。


(取材・梶繁男)

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