吉野家ディー・アンド・シーは21日、政府の米国産牛肉の輸入停止決定を受け、2月中旬に再開予定だった牛丼販売を当面、延期する方針を決定したことを明らかにした。
同社は1月に輸入が再開された米国産牛肉を使用して、期間や時間を限定した形で牛丼を「復活」する準備を進めてきたが、米政府が検査態勢の不備を認めたことなどから、延期はやむを得ないと判断した。これで牛丼販売のめどは立たなくなった。吉野家は「大変に遺憾なことだ」としている。
独自に情報収集を進めていた同社は21日、「米国産牛肉の検査態勢はコンプライアンス(法令順守)上、大きな問題がある」とコメントした。
一方、米国産牛肉を扱っていた食品大手関係者は「あきれている。日米両政府も信用できない。これで消費者の信頼を失った」と怒りをぶちまけた。大手スーパーは「安全が確認されても消費者の不信感はぬぐい切れない」として、米国産牛肉の取り扱いが一層困難になるとみている。
[2006/1/21/14:58]