3位(4勝3敗)の日本のロコ・ソラーレが米国を破り、準決勝へ王手をかけた。

2連敗中の踏ん張りどころから、過去3戦3勝だった相手との接戦を10ー7で制し、5勝3敗と勝ち星を伸ばした。

【カーリング】ロコ・ソラーレ、米国に勝利 通算5勝3敗で準決勝王手/ライブ詳細>>

15日の英国戦後、スキップの藤沢五月は言った。

「スイープがよく効くアイスだったので、それを生かすような試合を明日以降しなきゃいけない」

スイープとは石を投げた後に氷をブラシで掃くことで、距離や曲げ幅を調整している。氷上にできたペブルというでこぼこをブラシでこすり、摩擦を減らして石を動かしていく。

感じ取った氷のクセが、残り2戦の勝利の鍵を予見していた。

 

迎えた米国戦。「ナイススイープ!」の声が何度も響いた。投げる力を少し弱めにして、スイープする2人なら距離を伸ばせると信じて投げた。

主に担うリードの吉田夕梨花とセカンドの鈴木夕湖。海外では敬意を込めて「クレイジースイーパーズ」と呼ばれる2人だ。

1試合でスイープする長さは約2キロにもなる。持久力に、力も必要。他国のリード、セカンドは大きな体の選手が多い中、吉田夕は152センチ、鈴木は146センチと日本の平均とも比べてもかなりの小柄だ。ただ、そのスイープ力は威力抜群だ。

この日の第4エンドでは藤沢の難しい最後のショットで、必死にブラシを動かした。数センチ当たりがずれたら、スチールの危険もある場面で、しっかり2点獲得に貢献し、6ー2と流れを呼び込んでいた。

残りは17日のスイス戦。勝利を挙げれば地力で準決勝進出が決まる。2大会連続のメダルが見えてきた。

【カーリング】「メガネ先輩」が多い理由は? カーリング場の乾き 適度な乾燥がゲームの命>>

【カーリング】藤沢五月最終スーパーショット!デンマークに逆転勝利 通算2勝1敗/ライブ詳細>>

<リード>

吉田夕梨花(よしだ・ゆりか)1993年(平5)7月7日、北海道北見市生まれ。医療法人美久会。5歳から競技を始め、得意技はウィック(ガードに軽く当てて、シート中央を開けてコースを作る高等技術)。狙った時は「ゆりかタイム」と呼ばれる。性格はきちょうめんでコツコツ派。ロコ・ソラーレの結成当時からのメンバーで、当時は17歳だった。リードは14-15年シーズンから。座右の銘は「継続は力なり」。愛称「ゆり」。152センチ。

 

<セカンド>

鈴木夕湖(すずき・ゆうみ)1991年(平3)12月2日、北海道北見市生まれ。7歳から競技を始め、多彩なショットが持ち味。一投で相手の石を2つ弾くダブルテークアウトは見もの。ロコ・ソラーレのオリジナルメンバー。趣味の1つはオカリナで、初めて3年ほどで得意曲は「ちょうちょう」。今大会前には「風景のきれいな場所で、オカリナを吹きたい」と語っていた。座右の銘は「百聞は一見にしかず」。相性「ゆうみさん」。146センチ。