アイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」(世界ランク6位)が3日、北京五輪日本選手団の先陣を切りスウェーデン(同9位)との1次リーグB組初戦に臨む。2日は会場の五カ松体育センターで約1時間の最終調整。現地入り前には08年北京、21年東京五輪ソフトボール女子金メダル上野由岐子(39)の経験談を聞き、心の整え方を学んだ。14年ソチ、18年平昌と初戦で敗れた難敵に、三度目の正直で波に乗る。

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【女子アイスホッケー】日程

「スマイルジャパン」の名の通り、決戦前日もフェイスマスク越しの笑顔が映えた。午前11時半から1時間の練習を終え、3大会連続出場のDF床亜矢可(とこ・あやか、27=西武)は「『惜しい』はいらない。勝つことをだけを念頭に置いて進みたい」と言い切った。世界ランクで上回るスウェーデン戦は現在2連勝中だが、五輪初戦は8年前に0-1、4年前に1-2で惜敗。FW大沢ちほ主将(29)は「スピードある攻撃が鍵。早い段階でスコアしたい」と気合を入れた。

選手団一番乗りとなる先月27日の北京入り前、偉大な先輩に背中を押された。1月下旬に競泳男子で五輪銀1個、銅3個の松田丈志氏(37)、ソフトボール女子のエースで金2個、銅1個の上野由岐子とオンラインで約1時間半ずつ向き合った。妹の秦留可(はるか、24=西武)と代表入りした床は、上野の「オンとオフを大事にした方がいい。会場に行くまではトランプをして遊んでいた」という体験談が心に残った。現地にはトランプを持参し、初日は「ぶたのしっぽ」で仲間とリラックス。平昌五輪の5~8位決定予備戦、19年世界選手権でも得点したスウェーデンキラーは「金メダルの方がそう言うなら間違いない。自信を持って戦いたい」と力に変えた。

変則の1次リーグは初戦勝利が鍵を握る。世界ランク1~5位のA組は全チームが決勝トーナメントへ進出。日本のB組は上位3チームが対象で、1位通過すると準々決勝でA組3位と対戦する。だが、2位はA組2位、3位は同1位との顔合わせとなる。米国、カナダが2強となっており、飯塚祐司監督(47)も「初戦を勝ちきるのが一番のポイント」と1位を目指す。

東京五輪では女子ソフトボールが最初の競技となり、日本が上野の好投で勝利。大沢主将は「ここで勝つことで日本選手団にも、私たちにもプラスになる。いい流れを作りたい」と誓った。難敵をのみ込み、一気に駆け上がる。【松本航】