北京オリンピック(五輪)のスノーボード競技はメダル候補がずらり!? 初出場者も多い精鋭たちを、18年平昌五輪時に「美しすぎる解説者」として注目された、岩垂かれんさん(28)に紹介してもらった。スノーボードクロスの元日本代表から見た、彼/彼女たちのすごさとは。【取材・構成=阿部健吾、奥岡幹浩】

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<ハーフパイプ男子>

まず、スノーボード競技全てで、技は4年前より半回転増えています。平昌五輪銀メダルの平野歩夢は4個の大技の連続で、ダブルコーク(斜め軸に縦に2回転回る技)が主流でした。その上で横に4回転する「ダブルコーク1440」ができるのは4、5人でした。いまは当たり前になってて、今回はハーフパイプの限界と言われるトリプルコーク(斜め軸に縦に3回転)まできてます。

◆平野歩夢

公式大会で「トリプルコーク1440」を人類で初成功させたのが歩夢です。斜め軸に縦3回転、横4回転する大技です。ただ、決めれば勝てるわけでもない。点数は複数の技の合計になるので、どれだけスピードと高さを落とさずにその後の技につなげるかで、金メダルが近くなります。

平昌では金メダルのショーン・ホワイトより歩夢の方が上だったという議論がありました。ただ、予選を1位で通過して、決勝で最後に滑ってアピールするという、ホワイトの見せ方も大きかったんですよね。会場全体の空気をもっていく、それがジャッジを動かした面もあったかな。歩夢は予選の通過の仕方も気になります。どこまで本気をだすか、そこが面白くなります。

◆戸塚優斗

昨季は世界選手権や冬季Xゲームなどタイトルを総なめにしました。特徴はエアが大きく見えることですね。169センチですが、横の飛び幅が大きく、滞空時間が長く感じます。外国人選手と思ったら戸塚君だったということも。日本選手は歩夢みたいに小柄でコンパクトに回る選手が多かったので。トリプルコークも本番でかけてくるでしょう。

◆平野流佳

まず、歩夢の兄弟ではありません(笑い)。歩夢の弟海祝も代表ですが、「平野3兄弟」ではないですね(実際の平野家は3兄弟ですが)。彼は今季、躍進しましたね。W杯では12月の開幕戦で初優勝し、第2戦でも2位。戸塚君と同じく、技が大きく見えますね。トリプルを決めれば一気にメダルに手が届きそう。 

<ハーフパイプ女子>

◆小野光希

1月のW杯が見事でした。利き足を前にする難しい逆スタンスからの横3回転技「キャブ1080」を決めて2位。平昌五輪金メダリストで絶対女王のクロエ・キム(米国)に1・25点差に迫りました。難易度が高い3回転技は去年の5月から練習し始めたと聞きましたが、空中に飛び出すスピードなど、しっかりと仕上げてきたと感じます。W杯では3位以下を引き離してます。キムに食らい付いてほしいですね。

◆冨田せな

22日に米国で開催したXゲームズで初優勝。勢いがあります。技の難易度は小野さんより低いですが、回転中にボードをつかむグラブで得点を稼ぎます。完成度で勝負。妹るきも代表で姉妹での躍進に期待です。

◆今井胡桃

148センチと小柄で、男子の平野歩夢のようなコンパクトな回転が武器です。五輪も2度目で、丁寧さで勝負できる。女子は4年前は強豪だった中国に抜けた選手がおらず、日本選手の上位争いが楽しみです。


◆岩垂かれん(いわだれ・かれん)1993年(平5)12月24日生まれ、東京都出身。東京・日出高-日体大。15歳でハーフパイプからクロスに転向。11年世界ジュニア選手権9位。13年PSAプロツアーランキング1位。17歳で日本代表入り。15年全日本選手権優勝。16年夏に代表を引退。18年平昌五輪ではNHK「デイリーハイライト」に登場。選手の人柄なども紹介する解説に、容姿端麗さでも話題となった。現在はバックカントリーでの滑りなどを楽しむ。BS-TBS「アドベンチャー魂」にも出演中。162センチ。血液型B。

北京五輪の展望について明るい表情で話す岩垂かれん(撮影・浅見桂子)
北京五輪の展望について明るい表情で話す岩垂かれん(撮影・浅見桂子)
北京五輪に向け、日の丸を手に笑顔を見せる岩垂かれんさん(撮影・浅見桂子)
北京五輪に向け、日の丸を手に笑顔を見せる岩垂かれんさん(撮影・浅見桂子)