女子シングルス準決勝で高室冴綺(22=スタートライン)は2-6、0-6で田中愛美(21=ブリヂストン)に敗れ、決勝進出を逃した。

 高室はこの大会2度目出場の新世代のホープ。先天的に骨の形状などに異常があり、成長期に歩くことが難しくなった。高校時代に車いす生活になり、テニスを始めたのは18歳の時。「車いすになって悲観していたところ、イベントでテニスに出会いました」。ラケットを持つのも初めてだったが、もともと体を動かすことが大好きだった。

 4年前にこの大会を観戦し、上地結衣のプレーを見て刺激を受けた。「同い年ですでに世界のトップ選手。趣味程度だったテニスに本気になりました」。初出場の昨年、予選リーグ最下位で敗退した悔しさから練習拠点を大会会場の吉田記念テニス研修センターに移し、国枝慎吾ら男子のトップ選手と一緒にトレーニングを積んできた。

 今季から国際テニス連盟のシリーズにも本格参戦し、「歯が立たない」ところから力をつけてきた。「最終目標は世界でNO・1になること」。高室の視線はその1点に向けられている。【宮崎恵理】