欧米メディアによると、リオデジャネイロ五輪は性的少数者(LGBT)の参加者数が過去最高となった。米CNNテレビは人権団体の調べとして、今回は少なくとも41人が出場し、23人だった2012年ロンドン五輪を超えたと報じた。

 「多様性」を認め合うことをうたったリオ五輪を象徴するかのように、身体と心の性が異なるトランスジェンダーで世界的に活躍するスーパーモデル、リア・Tさんが5日の開会式に参加した。

 8日にはラグビー7人制女子の会場で、大会関係者のブラジル人女性(28)がブラジル代表の女子選手(25)に公開プロポーズしたことも話題となった。

 14年ソチ冬季五輪を巡り、ロシアの同性愛者への差別的な政策が国際的な批判を受けたため、国際オリンピック委員会(IOC)がLGBTの権利保護に力を入れてきたことがこうした流れの背景にある。

 IOCはリオ五輪でさらに、トランスジェンダー選手の性別変更に関する基準を緩和。性的適合手術を受けなくても出場を認めた。

 大会前には2人のトランスジェンダー選手の参加が一部で報じられたが、大会組織委員会は「プライバシーに関わる」として人数や国籍、競技種目を明らかにしていない。