日本陸上界初の5大会連続五輪を目指す福士加代子(39=ワコール)が、よもやの最下位となった。34分0秒53で19位。女子1万メートルでの東京五輪出場が消滅した。レース後、スタジアムの外で知人に囲まれて「もうええやろ」とニンマリ。進退については「余韻に浸ってる。どっちでもいいようにしてる!」と言い残し、熟考モードに入った。

体は万全ではなかった。「なんにも練習していません。いちかばちかでやっていました」。900メートル付近で最後尾となり、5000メートル付近で同門の安藤、優勝した広中らに周回遅れとなった。最終盤には2周遅れ。1人で涙を浮かべながらトラックを走り終えると「1等賞もやって2番、3番…。大きな大会でこんなドベドベはなかったし、最後に拍手もらったのもない」と観衆に頭を下げた。一転、オンライン会見では「一応、一礼してきたから。どっちでもいいように。まだわかりません」と笑った。

マラソン、1万メートルで五輪を逃し、残す選択肢は日本記録を持つ5000メートルになる。かわいがる鍋島莉奈(27=日本郵政グループ)が11位となり「『もう1回(5000メートル)行きませんか?』って言われてるから、鍋島のお願い次第ですかね」。引退か、5000メートルで再挑戦か-。39歳の名ランナーは悔いなき道を選ぶ。