東京オリンピック(五輪)陸上女子1500メートル、5000メートル代表の田中希実(21=豊田自動織機TC)が5日、オンラインで会見した。

女子1500メートルの五輪出場は卜部蘭(26=積水化学)と一緒に日本人で初の快挙。「日本人で最初の代表。そのスタートラインに立てることを楽しんで、喜びをかみしめたい」と語った。

6月下旬の日本選手権では800メートル、1500メートル、5000メートルと3種目に出場。特に6月27日は超異例のチャレンジをしていた。午後4時15分スタートの800メートル決勝で2分4秒47の3位。わずか35分後。田中は4時50分の5000メートル決勝のスタートラインにも立っていた。コンディション面で圧倒的な不利がある中、結果は15分18秒25の3位。「疲れることを恐れない。挑戦者の気持ちを思い出すことができた」。もともと5000メートルは昨年12月の日本選手権を制し、代表内定を決めていた。

女子長距離界のホープは「挑戦者の気持ちを持って、2種目にぶつかっていきたい」。実は五輪も1500メートル予選と5000メートル決勝が8月2日に被っている。19年世界選手権でも決勝に進出した本命種目5000メートルの決勝の約12時間前に、1500メートル予選を走る必要がある。「日本選手権の事を考えたら、だいぶ時間に余裕がある。同日にはなるが、ほぼ半日空いている。朝早くと夜遅くのレースになる。仮眠をとったり、治療を受けたり、時間を有効に使い、チャレンジしたい」。過酷な挑戦のようにも思えるが、普通の事であるかのように、さらり言った。