東京オリンピック(五輪)で採用された新種目の3人制バスケットボールで、日本女子が出場枠を獲得した。上位3チームが五輪切符を得る大会の3位決定戦で、スペインを延長戦の末に20-18で下した。開催国枠での出場が決まっていた男子3人制、男女5人制と合わせ、日本はバスケットボール全4種目での東京五輪出場が決まった。

東京五輪出場の得点を決めた馬瓜ステファニー(トヨタ自動車)に、チームメートが折り重なった。大会MVPにも選出された馬瓜は五輪切符について「鳥肌が立つくらい信じられない。本当によかった。言葉では表せないくらいうれしい」。歓喜の笑顔と涙が浮かんだ。

勝てば、東京五輪の出場権が獲得できる3位決定戦。数時間前の準決勝では、強敵フランスに1点差で敗れていたが、気持ちを入れ替えて臨んだ。中盤過ぎからリードを奪われる苦しい展開。それでも粘り強く戦い、残り約7秒で篠崎澪(富士通)が同点シュートに成功した。土壇場で追い付いて、2点先取すれば勝ちの延長戦に持ち込んだ。

3人制ならではの“延長サヨナラシュート”で決着した。延長では山本麻衣(トヨタ自動車)がフリースローを1本沈めて勝利に王手。その後、相手シュートのリバウンドを西岡里紗(三菱電機)が確保し、最後は山本からのワンバウンドパスを受けた馬瓜が体勢を崩しながらも決めた。馬瓜は「途中、少し心が折れそうなところもあったが、みんなで声をかけあって最後に勝てた」と振り返った。

3人制日本女子は19年秋にはU23ワールドカップ(W杯)で優勝。そのメンバーのうち馬瓜、山本、西岡の3人が今大会に出場し、もう1人の永田萌絵(トヨタ自動車)も代表候補となっている。東京五輪出場選手は6月下旬に決まる。世界を制した世代が中心となるであろうチームは、五輪で再び頂点を目指す。

◆馬瓜(まうり)ステファニー 1998年(平10)11月25日生まれ、愛知県出身。ガーナ人の両親を持ち、日本で生まれ育つ。愛知・桜花学園高では主将を務め、高校3冠の原動力となった。17年にトヨタ自動車に入り、5人制日本代表候補の姉エブリンとともに、今年4月にはチームのWリーグ初制覇に貢献した。3人制では19年秋のU23W杯優勝メンバー。182センチ、78キロ。

◆3人制バスケットボール(3×3) 1試合10分制のハーフコートで行われ、5人制の2点シュートは1点、3点シュートは2点として加算。10分間のタイムアップ前でも、一方のチームが21得点に達した場合はノックアウト勝利となる。東京五輪の新種目で、お台場に仮設される青海アーバンスポーツパークが会場。