東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)は18日、開会式における選手の入場行進について、参加選手の削減を提言した。

この日、離日した国際オリンピック委員会(IOC)バッハ会長が前日、開会式の縮小に消極的な姿勢を見せたことに対し、くぎを刺す形となった。

IOCと国際パラリンピック委員会(IPC)との合同事務折衝を終えた後の会見。大会中、新型コロナウイルス対策として原則、選手と接する人の社会的距離は2メートルとする方向性を確認した。しかし森会長は「行進の待機場所で2メートルを確保できない」と懸念し「安心安全な大会をやる上で選手にも我慢をしてもらうかもしれない」と語った。

一方同席したIOCコーツ副会長は「伝統は変えたくない。全選手に行進機会を与えたい」と主張。従来は辞退選手の代わりに各国役員が行進に参加できる制度があったが「それを禁じ、役員は上限6人。参加者は自然と減る」と述べた。

だが森会長は「簡素化で300億円削減したが少ないとの評価もある。従来と違うと思われるのは行進だ。私はこだわりたい」と主張を曲げなかった。各国オリンピック委員会を通じ「(コロナ禍で)世界の選手が本当に行進に参加したいのか」を問う調査をするよう提案したことも明かした。【三須一紀、木下淳】