東京都の小池百合子知事(68)は28日、リモートで参加した東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの新型コロナウイルス対策などを話し合う5者協議後に都庁で対応し、丸川珠代五輪相から指摘を受けていた医療提供体制に関し「東京都のコロナ対策の現状や、ワクチン接種のいつまでにどの程度という見通しをお話しさせていただいた」と報告内容を明かした。

医師や看護師などの確保可能な具体的人数は確定していない状況だが、「それぞれ組織委員会の方とも話をしている。医療体制を確保していく」と述べた。

観客数の上限の判断時期は6月とし、国内のスポーツイベント等における上限規制に準じることを基本とすることで合意した。「コロナの感染状況をみながらということでありますし、変異株などもあって、状況を見定めることが重要。その上で6月に判断ということは私も賛成いたしました」。東京都は25日から3度目となる緊急事態宣言が発令中だが、「ゴールデンウイークの期間中にコロナを抑えていくことが都民の健康を守るためにも何より重要」と人の流れ抑制に重点を置いた措置の即効性を期待した。

五輪の開催可否の議論があったかを問われると「可否について相談する場ではありません」と即答した。

また、マラソン会場を東京から札幌に移行したことにより、昨年11月にIOCバッハ会長から提案されていた「セレブレーションマラソン」の開催が合意したことも明かした。東京五輪で使用する予定だったコースで、22年秋に「東京レガシーハーフマラソン」と命名して行う。大会はIOCが五輪を象徴するアスリートを招聘(しょうへい)する。IOCが主催する子どもたちとのイベントも同時開催し、バッハ会長も来日して出席する予定だ。【鎌田直秀】