国際オリンピック委員会(IOC)ジョン・コーツ副会長(71)が東京オリンピック(五輪)開幕まであと1カ月を迎えた23日、体操などの会場となる東京・有明体操競技場を、組織委員会の橋本聖子会長(56)とともに視察した。コーツ氏はくちばし型の防じんマスクを着用するなど、厳戒態勢で登場。会場内では、橋本氏らと客席に座り、担当者の説明を受けた。

コーツ氏は担当者に「観客はどこに座るのか」と質問。同行したアレックス・ギラディ調整副委員長が、反対側を指さしながら「我々はあっちだよ。あっちはオリンピックファミリー、メディア、学校連携で来場する子供たち」と、観客とは“別枠”を示唆する場面があった。また「観客は(定員の)80%」としたギラディ氏を、コーツ氏が「50%だよ」と、決まったばかりの観客上限に合わせて訂正した。

コーツ氏の同会場視察は2回目。隣で見守っていた橋本氏に「日本のメダルはどんな感じでしょうか」と質問。会場の仕上がりについては「素晴らしいです」と満足そうに褒めた。

コーツ氏は15日に来日。組織委によると、22日までホテルから外出することなく、来日9日目のこの日が初めての外出だった。この日は選手村なども視察。会場視察は行動計画にも含まれており、今後も可能な範囲で各会場を回る予定だ。