【ロッテ週間〈2〉鴎たちの高校野球】タイムマシンに乗り、最後の夏を追いかけてみた

ロッテ担当の金子真仁記者が、面々の高校時代にタイムスリップして言葉を拾ってきました。誰もが通ってきた道には、等しくクッキリとした轍が残っています。大海原に羽ばたかんとする、若き鴎たちのストーリーズ。

プロ野球

「ニコイチ」「誇り」―松川虎生

高校野球の地方大会が各地で佳境を迎え、8月には甲子園大会が行われる。日刊スポーツでも長年にわたり、真夏の青春群像を報じてきた。何万人もの高校球児のエピソードが、紙面を埋め尽くしてきた。

データベースが残っている。プロ野球選手の球児時代を発掘すると面白い。取材を担当するロッテの選手たちの〝最後の夏〟を追ってみた。とりわけ印象的なフレーズがある。

「ニコイチ」

2021年3月23日、センバツ県岐阜商戦。小園との「ニコイチ」がロッテで生きることに

2021年3月23日、センバツ県岐阜商戦。小園との「ニコイチ」がロッテで生きることに

昨年21年の和歌山大会。市和歌山の松川虎生捕手は、エースの小園健太投手(現DeNA)とともに帽子のつば裏にそう書いて、試合に臨んでいた。決勝でライバル智弁和歌山に敗れ、夢がついえると、小園はこう話したという。

「僕のわがままも受け止めてくれて、とてもいい相棒。一番大きな存在。甲子園で終わりたかった」

日刊スポーツの高校野球紙面では毎年、その年を代表するような〝高校球児OB〟に題字を依頼してきた。昨年はロッテ佐々木朗希投手が「宝」の1文字を選んだ。今年は松川に依頼した。小園ら中学時代からの仲間たちと選んだ市和歌山。その3年間をどんなフレーズで表現するか。

「誇り」

そのココロは。

1980年11月、神奈川県座間市出身。法大卒、2003年入社。
震災後の2012年に「自転車日本一周」企画に挑戦し、結局は東日本一周でゴール。ごく局地的ながら経済効果をもたらした。
2019年にアマ野球担当記者として大船渡・佐々木朗希投手を総移動距離2.5万キロにわたり密着。ご縁あってか2020年から千葉ロッテ担当に。2023年から埼玉西武担当。
日本の全ての景色を目にするのが夢。22年9月時点で全国市区町村到達率97.2%、ならびに同2度以上到達率48.2%で、たまに「るるぶ金子」と呼ばれたりも。