【傾聴力】竜5年目22歳の根尾昂&石橋康太 田村藤夫氏に告白「ガキだった」/前編

選手の技術面に加え、人間性やドラマにも迫る田村藤夫氏(63)の「プレミアムリポート」。今年最初のシリーズは、中日根尾昂投手(22=大阪桐蔭)、石橋康太捕手(22=関東第一)のインタビュー(前後編の2回)となりました。

プロ野球

入団時2軍コーチ 石橋とは同窓

18年のドラフトで高卒同期入団の2人は、私が中日2軍バッテリーコーチ時代から、何かにつけてよく行動を共にするシーンを見てきました。石橋が私の関東第一の後輩であり、同じ捕手ということもあり、石橋、根尾とはよく話をする機会もありました。

プロ5年目を迎えた2人に、それぞれをどう見ているのか、そして、昨年インタビューした際に根尾が触れていた「自炊問題」(※1)についても、1月24日(火)公開の後編で詳しく聞いています。

(※1) 昨年末の「プレミアムリポート」で、やや盛り上がった話題。1人暮らしをはじめたばかりの根尾の「自炊できるっす」との発言に、自炊経験のない田村氏が「なんで自炊したことないのに、できるって言っちゃうんだ? 自炊なめちゃいけないよ」と、応戦したことに端を発する。田村氏は「そんなに簡単じゃない。ケガをしても大変」と否定的な見解。根尾は「経験はないけど大丈夫です」と、ちょっと不思議な回答。「包丁は右手で」と約束して、挑戦することになった。

今回は、購読してくださった方の中から、根尾投手、石橋捕手と私の3人でのインタビュー形式をリクエストしていただき、思い切ってチャレンジすることにしました。読者の皆さんのご期待に沿えるか、自信はありませんが、リラックスした雰囲気の中でインタビューに取り組みました。最後まで読んでいただければ幸いです。

◆根尾昂(ねお・あきら)2000年(平12)4月19日、岐阜県生まれ。小2から古川西クラブで野球を始め、古川中では飛騨高山ボーイズに所属。大阪桐蔭では1年夏からベンチ入りし、2年春、3年春夏で優勝。4球団強豪の末、18年ドラフト1位で中日に入団。3歳から始めたスキーでは、中学2年時にアルペンスキー回転で日本一となり、世界大会にも出場した。内外野をこなし、昨季途中から投手に登録を変更。昨季は野手として49試合に出場し打率2割、本塁打なし、4打点。投手として25試合に登板し勝敗なし、1ホールド、防御率3・41。177センチ、78キロ。右投げ左打ち。


◆石橋康太(いしばし・こうた)2000年12月7日、千葉県生まれ。小学生から捕手として活躍し、6年時にロッテジュニアに選出され12球団ジュニアトーナメントに出場し準優勝。千葉市リトルシニアから関東第一高。2年夏の東東京大会で4本塁打を放つなど、高校通算57本塁打。18年ドラフト4位で中日に入団した。1年目に球団史上初となる高卒新人でのスタメンマスク。昨季は31試合に出場し打率1割7分9厘、本塁打なし、4打点。181センチ、95キロ。右投げ右打ち。


◆田村藤夫(たむら・ふじお)1959年(昭34)10月24日、千葉・習志野出身。関東第一から77年のドラフト6位で日本ハム入団。93年に初のベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞。93年オフ、巨人長嶋監督からFA移籍でのラブコールを受けたが、日本ハムに残留。96年オフには、ダイエー(現ソフトバンク)王監督から直接電話を受け、移籍を決断した。07年からは、中日の落合監督に請われ入閣。捕手としてONと落合氏から高く評価されたが、本人は「自分から人に話すことではない」とのスタンスをかたくなに守る。42年間のプロ野球生活を経て解説者に。通算1552試合出場、1123安打、110本塁打。

田村氏お疲れさま。年も明けて、今年は2人にとってはプロ5年目かな?

根尾、石橋(そろって元気よく)はい!

田村氏そうだよな。根尾はピッチャーとしては、はじめてのキャンプかな?

根尾はい。

田村氏石橋はリハビリから(※2)だな。順調?

(※2)22年の11月8日、右肘と左膝のクリーニング手術を受けた。開幕には間に合う見込み。

石橋はい、順調です。投げるのはネットスローをしています。走る方もPP(ポール&ポール)くらいです。投げる方も、走る方も順調です。

田村氏そう。根尾はどうかな、今年に向けた決意というのは?

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1959年(昭34)10月24日、千葉・習志野出身。
関東第一から77年のドラフト6位で日本ハム入団。93年に初のベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞。
93年オフ、巨人長嶋監督からFA移籍でのラブコールを受け(日本ハムに残留)、96年オフには、当時の王監督(現会長)から直接電話でダイエー(現ソフトバンク)移籍を決断。07年から中日落合監督に請われて入閣した。
ONと落合氏から高く評価された捕手だが、田村氏はそうした経緯について「自分から人に話すことではない」というスタンスをかたくなに守る。42年間のプロ野球生活を経て解説者に。プロ通算1552試合出場、1123安打、110本塁打。