【囲み取材全文】難病から復帰DeNA三嶋一輝 お立ち台直後の昂ぶるバックヤード

4月9日の中日戦、横浜スタジアムに詰め掛けた「全ベイ」ファンが、背番号「17」がマウンドで躍動する姿を見つめました。昨年8月に国指定の難病「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症」の手術を受けた三嶋一輝投手(32)が、公式戦では340日ぶりに横浜スタジアムで登板。1回を無失点に抑えました。試合後には石田、戸柱とともにお立ち台に呼ばれ、ハマスタ史上最多の3万3144人のファンに向け、胸の内を語りました。

お立ち台でのヒーローインタビューを終えた後、三嶋はベンチ裏で大勢の報道陣に囲まれました。最も近くで支えてくれた妻への感謝の思い、「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症」から復活する意義、復活に向け、熱い言葉を掛けてくれた三浦監督への思いなどを存分に語りました。

プロ野球

◆三嶋一輝(みしま・かずき)1990年(平2)5月7日、福岡県生まれ。福岡工では3年春に九州大会優勝。法大ではリーグ戦通算13勝8敗。4年秋に最多勝、最優秀防御率、ベストナインを獲得。12年ドラフト2位でDeNA入団。プロ2年目の14年に開幕投手。18年から中継ぎに専念し、19年は自己最多の71試合に登板。22年8月に国指定の難病「胸椎黄色靱帯骨化症」の手術を受けた。176センチ、80キロ。右投げ両打ち。

「ちょっと良くなってきたな」

――本拠地ハマスタ公式戦、昨年5月4日以来の登板です。おかえりなさい

三嶋ありがとうございます。

――胸椎黄色靱帯骨化症、難病を乗り越えて、この横浜スタジアムのマウンドに帰ってきました。今のお気持ちから聞かせてください

三嶋素直にうれしいですし、こういう演出を用意してくださった球団に感謝したいと思います。ありがとうございます。

――7回をきっちりゼロに抑えて、三嶋投手らしい、躍動していましたね

三嶋ありがとうございます。

――今、「おかえり」という声も届いています。いかがでしょうか

三嶋本当にね、ここに帰ってくるためにリハビリからやってきて、そして、こんなに早くヒーローインタビューのステージでみなさんに話すことができて、すごくうれしいです。ありがとうございます。

――投球を振り返りますと、球速も149キロで加藤選手を見逃し三振に。ストレート、落ちる変化球もしっかりと戻ってきましたか

三嶋そうですね。最近、ちょっと良くなってきたなとまた思ってるので、まだ始まったばかりなので、本当に少しでもチームに貢献しなきゃいけないという気持ちだけで毎日戦っていきたいなと思います。

――最後にメッセージをお願いします

三嶋1年間、戦っていきたいと思います。応援よろしくお願いします。


囲み取材

――340日ぶりの本拠地ハマスタでの登板。どのような景色でしたか

三嶋リリーフカーから出て行く時に、登場曲よりも先に拍手をいただいて、レフトスタンドからどんどん拍手が行き渡る光景というのが、すごく残っています。

――病気が発覚した時は、この日のようにマウンドに帰ってこられると思いましたか

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兵庫県出身。報徳学園、関大を経て、2007年に日刊スポーツに入社。
野球部に配属され、同年12月までアマチュア野球担当、 2008年から11年まで1期目の巨人担当、2012~13年まで西武担当(2013年はWBC担当)、2014~16年まで2期目の巨人担当、 2017~18年までアマチュア野球担当、2019~20年まで3期目の巨人担当、2021年は遊軍、2022年からDeNA担当。
身長169・5センチ、体重58~63キロをいったりきたり。