【天才打者のシナリオ】ソフト上林誠知「終わり良ければ、すべて良し」/連載〈18〉

悩める天才打者よ、よみがえれ! ソフトバンク上林誠知外野手(27)が人生最大の苦境を乗り越えようと必死にもがいています。プロ5年目の18年に143試合に出場。打率2割7分、22本塁打、62打点と大器の片りんを示しました。しかし、その後は度重なるケガにも泣かされ、成績は下降線。飛躍を期す今季は開幕1軍スタートも、極度の打撃不振で2軍生活が続いています。復活劇へ-。上林の苦悩とともに現在地に迫りました。

プロ野球

開幕1軍も.176

並々ならぬ決意で臨んだ勝負の1年だった。まだ、シーズンの序盤とは言え、待っていたのは理想とは大きくかけ離れた現実だった。

上林今年にかけていた思いが強い分、ちょっと、ショックが大きい。プロ10年の中で、今までで気持ち的には一番しんどい。

前向きで知られる上林も、味わったことのない極度の打撃不振に下を向いた。今季は開幕1軍スタートを果たし、14試合に出場も、打率1割7分6厘(34打数6安打)。さらに0本塁打、1打点と持ち前の長打力も鳴りを潜めている。

佐々木朗希との対戦では見逃し三振に倒れる。23年シーズンは開幕1軍も打撃不振に苦しんだ=2023年4月

佐々木朗希との対戦では見逃し三振に倒れる。23年シーズンは開幕1軍も打撃不振に苦しんだ=2023年4月

4月24日に出場選手登録を抹消され、現在も2軍調整が続く。オープン戦では17試合に出場し、同2割7分7厘、2本塁打を放つなど長打率5割超えと確かな手応えもあっただけに、気持ちの整理はつかず、自分自身へいら立ちも隠せない。

本文残り71% (1548文字/2172文字)