【3日連続②】凱旋登板(2軍)の輝星 隠せない…いや隠さない秋田愛/連載〈16〉

日本ハム吉田輝星投手(22)の「5年目の夏」を追いました。取材したのは2軍調整中だった8月7日と8月16日に加えて、今季初昇格で初登板を果たした8月25日、そして2軍再調整となって最初の2軍戦登板となった9月2日の4度。後輩や金足農時代の話から、故郷秋田での登板、1軍での手応え、2軍での再出発への思いなど、真夏に1、2軍を行き来した吉田投手が真摯(しんし)に答えてくれました。3回連載の第2回です。

プロ野球

◆吉田輝星(よしだ・こうせい)2001年(平13)1月12日、秋田県潟上市生まれ。小3から天王ヴィクトリーズで野球を始める。金足農では1年夏からベンチ入り。3年夏は、秋田大会から甲子園準決勝まで10試合連続完投勝ち。決勝では大阪桐蔭に敗れたが、金農旋風を巻き起こした。大会通算62奪三振は歴代6位。U18アジア選手権日本代表。18年ドラフト1位で日本ハムに入団。4年目の昨季は、主に中継ぎとして51試合に登板し2勝3敗5ホールド、防御率4・26。今季推定年俸2000万円。175センチ、84キロ。右投げ右打ち。

【ChapterⅡ】8月16日、千葉・鎌ケ谷前回、同7日と同様に、ルーキー記者2人と、入団時から担当していた遊軍記者の3人が取材しました。テーマは同13日に故郷・秋田で開催されたイースタン・リーグ楽天戦での登板について。率直な思いを明かしてくれました。

2018年8月18日、甲子園

2018年8月18日、甲子園

「勝手に上がるっていうか」

―13日に秋田で登板。率直な気持ちは

吉田去年も投げましたけど、なんかすごいマウンド上がった時に、デカい歓声をもらったんで、すごいうれしかったですし、なんて言うんですか、久々に、その気持ちが…「久々に」っていう言い方はおかしいですけど、なんかすごい気持ちが入った試合だったなと思います。

―昨年は1軍戦で秋田に凱旋(がいせん)した。今年は2軍戦。気持ち的には違いましたか?

吉田うーん、まあ別に意識はしてないですけど、多少は変わると思うんですけど、1軍の方が。

まあ2軍の方が適当とかじゃなくて、1軍の方がもう勝手に上がるっていうか、気持ち的にっていうのはあると思うんですけど。

去年行った時よりも、さすがにファームの試合なので人数制限とかして観客の人を入れてたと思うんですけど、その人数からは考えられないくらいの声援をもらったんで。別に、そこの区別はなかったですね。

―凱旋登板は気分が上がるものですか?

吉田上がりますね、はい。気持ちが上がる場面とか、結構重要なんで。すごいありがたいですね。

―いつもと違った力が出る?

吉田そうっすね。大舞台とか大事なところとかで行くと、球速がボンって上がったりとか、そういうのはあるんで。そういうのは毎回あった方が、自分的にはうれしいなと思います。

―秋田のマウンドは特別な力、出た?

吉田懐かしいのもありますし、気持ちが入った分、いつも以上に気持ちが乗った球が投げられたかなと思います。

―そういう舞台で投げることは、やみつきになる?

吉田僕は、そうです。アドレナリンがもうバーンって出る感じが、調子悪いとか調子いいとか関係なく、いい球が行き始めるんで、そういう時は。

まあ、北海道に行っても、去年から毎試合投げてても特に土日とか、すごい人が入って、すごい歓声を毎回もらいましたし。去年は、もうめっちゃ投げて疲れてたけど、やっぱりそういうのでスイッチが入ってっていうのは、何回もありました。

―欲を言えば、毎日がそういう登板になるのがいい

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