【筒香嘉智よりも上】実況27年!tvk吉井祥博アナが選んだ歴代ベストナイン/後編

夏の高校野球神奈川大会が7月5日、開幕します。全国屈指の激戦区で、決勝は横浜スタジアムが満員札止めになることもある人気の大会。四半世紀にわたり「声」で熱気を伝えてきたTVK(テレビ神奈川)の吉井祥博アナウンサー(59)にインタビューしました。後編は、吉井アナによる「歴代ベスト9」もお披露目します。

高校野球

■「翌年の筒香もすごいとは思ったんですけど。うん、やっぱ僕、大田の方が」

松坂大輔が1年生だった96年から神奈川の高校野球を見つめ、今年で27年。吉井アナにとって、とりわけ印象に残っている時代はいつなのだろう。

「08年と09年、僕は特別な神奈川の年だと思っているんです、今でも」

08年夏は東海大相模・大田泰示主将が全国でも注目のスラッガーで、横浜スタジアムでも何本ものアーチを架けた。横浜・筒香嘉智主将が3年生を迎えた09年夏は、横浜隼人が悲願の初優勝を成し遂げた。

「間違いなく僕の中でスーパーな2年でしたね。08年は大田泰示がいて、09年は筒香がいたんですね。筒香が横浜隼人に敗れたんですよ」

「お客さんの入りも含めると、ちょっとこの2年間はちょっと違ったかなってのは。それこそ、横浜高校が優勝してないのにっていうところもあります。すぐに満員札止めになりましたからね、決勝が」

1時間ほどのインタビューの中で、大田泰示の名が何度か出てきた。

「人間的なものも含めて、これがキャプテンという雰囲気を持ってましたね。だからジャイアンツに行って、難しくされすぎちゃったのかな…というのがあったんですけど。とんでもない才能でしたよね。翌年の筒香もすごいとは思ったんですけど。うん、やっぱ僕、大田の方が高校時代だけだと上だったかなって」

■「ずっと門馬さんに聞いてたんですけど」

吉井アナが名場面を懐かしそうに回想する。

「この年って、大田泰示が春に桐光学園戦で完投勝利してるんです。夏もいざという時に投手で使うんじゃないかなと思って、ずっと門馬さん(門馬敬治監督=現・創志学園)に聞いてたんですけど、門馬さんは『使わない』って断言したんですよね」

「でもやっぱり、決勝の慶応戦、延長で最後に使ったんですよね。エースの大城…巨人の大城のお兄ちゃんですね、彼が途中で足つっちゃって降板して、大田泰示が抱えてベンチに帰ったんですけど、最後の瞬間、負けた時は今度は大田泰示の方が泣き崩れて、それを大城が抱えて帰ったっていうシーンが非常に印象的でした」

そして09年。筒香のいる横浜を準々決勝で破った横浜隼人が、勢いのまま初優勝した。横浜スタジアムの大観衆の前で、水谷哲也監督が優勝インタビューで男泣きした。

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1980年11月、神奈川県座間市出身。法大卒、2003年入社。
震災後の2012年に「自転車日本一周」企画に挑戦し、結局は東日本一周でゴール。ごく局地的ながら経済効果をもたらした。
2019年にアマ野球担当記者として大船渡・佐々木朗希投手を総移動距離2.5万キロにわたり密着。ご縁あってか2020年から千葉ロッテ担当に。2023年から埼玉西武担当。
日本の全ての景色を目にするのが夢。22年9月時点で全国市区町村到達率97.2%、ならびに同2度以上到達率48.2%で、たまに「るるぶ金子」と呼ばれたりも。