【ナベさん金子真仁のキャンプ行脚】ソフトバンク視察の先に古巣西武への思い/前編

元西武GMで日刊スポーツ客員評論家に就任した渡辺久信氏(59)が2月、キャンプ地の宮崎県を訪れました。

6日に宮崎市内でのソフトバンクキャンプを、7日に日南市南郷での西武キャンプを、それぞれ訪問。22年ぶりの評論家活動の“リスタート”に同行させていただきました。

前後編でお届けします。

プロ野球

◆渡辺久信(わたなべ・ひさのぶ)1965年(昭40)8月2日生まれ、群馬県桐生市出身。前橋工で1年夏に甲子園出場。83年ドラフト1位で西武入団。最多勝3度、最高勝率1度、最多奪三振1度。96年6月11日オリックス戦で無安打無得点。97年オフに戦力外となり、ヤクルト移籍。99年から台湾で選手兼任コーチを務め、01年現役引退。04年2軍投手コーチで西武復帰。2軍監督を経て、08年から1軍監督。就任1年目で日本一となり、正力松太郎賞。13年まで監督を務め、19年からGM。24年5月から監督代行を兼任。シーズン終了後に辞任、西武を退団した。右投げ右打ち。

王会長を追いかけ日向夏を片手に球場へ

アイビースタジアムでソフトバンクキャンプを視察する渡辺久信氏

アイビースタジアムでソフトバンクキャンプを視察する渡辺久信氏

空港の到着口で待っていると、ソフトバンクの王貞治球団会長(84)が目の前を通り過ぎた。

宮崎県は50年来のキャンプ銀座である。渡辺久信氏(以降、ご本人の提案により「ナベさん」)も毎年のように来ていたから「久しぶりだな~」とか言うはずもない。

私の右肩付近にバシッとそこそこ強めの「よう!!」が飛んできて、道中が始まった。

駐車場に歩きながらあっさり見つかった。

「おっ、それ何? オレにくれるの?」

日刊スポーツ客員評論家になっていただく大御所である。到着ロビーで買っておいて生絞りジュースでおもてなしだ。マンゴーと日向夏、どちらがよろしいですか?

「俺、マンゴー嫌いだ。こっちがいい」

日向夏ジュースを手に取った。

遅延もあり10時を回っていた。今から1時間以上かけて古巣西武の南郷キャンプでは、ちょっと時間的に申し訳ない。

車で20~30分のソフトバンクキャンプにおじゃますることにした。

「練習試合では来るけどさ。キャンプ中に生目の杜に行くなんて、2003年以来とかになるのかな」

その後、ずっと指導者やフロント職として西武に携わった。

「で、どうなの? 第1クールは西武もけっこう評論家とか偵察の人たち、来てるの?」

「いえ、まだあんまり」

「偵察いらねえんじゃねぇ?」

毒舌というか絶口調である。

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1980年11月、神奈川県座間市出身。法大卒、2003年入社。
震災後の2012年に「自転車日本一周」企画に挑戦し、結局は東日本一周でゴール。ごく局地的ながら経済効果をもたらした。
2019年にアマ野球担当記者として大船渡・佐々木朗希投手を総移動距離2.5万キロにわたり密着。ご縁あってか2020年から千葉ロッテ担当に。2023年から埼玉西武担当。
日本の全ての景色を目にするのが夢。22年9月時点で全国市区町村到達率97.2%、ならびに同2度以上到達率48.2%で、たまに「るるぶ金子」と呼ばれたりも。