【鍵山正和 ~哲~〈10〉】「逃げるな」苦境のGPシリーズで優真に諭した言葉

フィギュアスケート男子で、北京オリンピックで日本史上最年少メダル(個人銀、団体銀)を獲得した鍵山優真(21=オリエンタルバイオ/中京大)。その指導に就く父、鍵山正和コーチ(53)の哲学に迫る連載「鍵山正和 ~哲~」は、第10回、11回で2024―25年シーズンの前半戦を振り返ります。第10回は不安が的中したグランプリ(GP)シリーズの戦いに着目。苦境に伝えた言葉の真意に迫ります。(敬称略)

フィギュア

24年の全日本選手権で初優勝を飾った鍵山優真

24年の全日本選手権で初優勝を飾った鍵山優真

1人で何を考え、どんな結果になるか

「今日ですね、帰ってくるのは」

1月21日、愛知県豊田市の中京大のリンクを後にするために車に乗り込もうとする間際に、わずかにほほ笑んだ。

その日はイタリア・トリノで開催された冬季ユニバーシティゲームスで優勝を飾った優真が帰国する日だった。

今季から息子が1人暮らしを始め、練習の行き帰りにいつも2人で車で過ごしていた時間はなくなった。

1人でハンドルを握り、リンクから自宅へ向かう事にももう慣れてきたが、シーズン中にこれだけ長く別々に過ごすことは久々だった。

父は日本に残る事を、ずっと前に決めていた。

「シーズンが始まる前からですね。もしユニバに出場できることになったら、ここは行かないと決めていました。1人で試合に行ってもらう。それも非常に大事なことで。そこで何を考え、どんな結果になってくるのか。彼にとっても大きな大会になってほしいなと」

年末の全日本選手権で初優勝を飾った雄姿を見届け、年が明けた。

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2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて17年。25年4月に初の異動で野球部へ配属となりました。競技経験はありませんが、現在は息子が通う少年野球チームで“球拾い”コーチとして奮闘中。記者としても、様々な話題を拾います。ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。クラフトビール好きです。