「夢をかなえるための努力に、遅すぎるということはない」アンバー・グレンがひらく道

フィギュアスケート女子で24年12月のGPファイナル王者のアンバー・グレン(25=米国)が、夢を追うことの大切さや自分らしくいることの尊さを語りました。

世界国別対抗戦ではフリーでトリプルアクセル(3回転半)を決め、自己ベストの148・93点で2位。米国の2大会連続6度目の優勝に大きく貢献しました。

20日のエキシビション前には、日本の取材を希望したメディアによるインタビューに対応。3回転半やスケートへの信念、LGBTQ+(性的少数者)の当事者としての思いを明かしました。「Ice Story」としてお届けします。

フィギュア




◆アンバー・グレン(Amber GLENN)1999年10月28日生まれ、米テキサス州プレイノ出身。2004年に競技開始。14年全米ジュニア選手権優勝。21年全米選手権2位。22年スケートアメリカでGPシリーズ初の表彰台となる3位。23年同大会フリーでトリプルアクセルを初成功。24年から全米選手権2連覇。24年11月のフランス杯でGPシリーズ初優勝。同12月のGPファイナル初優勝。3大会連続出場となった25年3月の世界選手権で自己最高の5位。19年末以降にバイセクシャル(両性愛)とパンセクシャル(全性愛)を公表。身長167センチ。


躍進の今季は「濃密だった」


世界国別対抗戦エキシビション前に取材に応じたアンバー・グレン(撮影・藤塚大輔)

世界国別対抗戦エキシビション前に取材に応じたアンバー・グレン(撮影・藤塚大輔)


―今季をどのように振り返っていますか

本当にたくさんのことを学びました。どうすれば自分のベストなパフォーマンスを発揮できるのか、そしてそのパフォーマンスを保つためには何が必要なのか、ということについてです。あまり良い演技ではなかったこともあるけれど、それも良い経験となりました。

―優勝したGPファイナル含め、たくさんの試合に出場しました。どのような成功を得ましたか

全てがあっという間だったので、終わった時には疲れきっていました。今季はこれほどまでに濃密な日々を過ごしてきたので、自分の足元を見つめ直すこともできませんでした。私はあらためて、もっとやらなければならない時や、むしろ手綱を緩めないといけない時を見極める術を学びました。これは来シーズンにつながると思います。

女子SP 華麗な演技を披露したグレン(撮影・宮地輝)

女子SP 華麗な演技を披露したグレン(撮影・宮地輝)

―ご自身の滑りについては、どのように捉えていますか

ちょうど私の母と、昨夜のフリー(19日のフリー)のことを話していました。私の滑りはもっと優雅で、もっと内面的なものであって、自分の内側から来る。最後のほうは言葉ではなく、心から滑りを感じていました。そしてショートはより力強く「ガー」という感じです。この数カ月は最高の状態ではなかった。でも、もがいている時、私はとてもパワフルでタフだった。だからフリーでも、より落ち着いて、より優雅な滑りができるようになったと思っています。これが私にとっては自然な状態なのです。(今後は)調子が悪い時でも、力強いスケーティングができるように、コーチや振付師と話し合うつもりです。自分にとって、適切なスケーティングを見つけるためです。

女子SP 華麗な演技を披露したグレン(撮影・宮地輝)

女子SP 華麗な演技を披露したグレン(撮影・宮地輝)


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岐阜県不破郡垂井町出身。2022年4月入社。同年夏の高校野球取材では西東京を担当。同年10月からスポーツ部(野球以外の担当)所属。
中学時代は軟式野球部で“ショート”を守ったが、高校では演劇部という異色の経歴。大学時代に結成したカーリングチームでは“セカンド”を務めるも、ドローショットに難がある。